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fine. (3)
  • 完結

「ただ目の前にある現実と真っ直ぐに向き合って…生きるんだ。」現代アートの芸術家を目指し、上京した上杉、27歳。一月後の個展を目指し、制作活動に励もうとする上杉に、別れを告げたはずの斉藤が執拗なまでの邪魔を…。そして、更なる袋小路に追い詰められた上杉は、りおの紹介で出会ったアーティスト・織田ジョーから痛烈な言葉を浴びせられ――!?

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書店員のレビュー

2012年がスタートして半月が経ちましたが、この時季は、同窓会が開かれることが多いですね。別人のように変った人がいれば、昔のままの人もいます。『fine.』(信濃川日出雄)は、同じ美大に通っていた若者が6年ぶりに同窓会を開いたことをきっかけに物語が始まります。卒業以来にして集った仲間は、広告デザイナーやプログラマー、中学校教師などさまざまな職種に就いています。そして、主人公の上杉は絵描きであることをやめられずにいます。まれにイラストレーターの仕事をしても、自らの信念を貫こうとするあまり、なかなかうまく立ち回ることが出来ません。純粋に絵画の作家になりきろうとしているのですが、なかなか芽が出ずに、のた打ち回っている青年なのです。年齢的なことを考えて、「オトナにならなきゃ」と覚悟を決めることもありますが、「俺は俺だから、俺の生き方でしか生きられない」という内なる声が、それを妨げます。そして、たまに会った仲間からは、「まだ、描いているの?」という言葉に焦燥感を煽られます。全体を通してもだえ苦しむ上杉ですが、己に対してきちんとした解答を見つけることが出来たようです。著者の始めての連載ということが信じられないくらいに完成度が高く、人の心を打つ作品です。存分に魂が込められているのだと思います。同窓会って、何かが始まったりするきっかけにもなるようですね。(2012/1/17)
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