溝口敦

講談社/文芸

ジャンル:ノンフィクション

700円 (税別)

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eBookJapan発売日:2011年12月09日

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ドキュメント 五代目山口組の内容

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ドキュメント 五代目山口組の詳細

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溝口敦さんは、創価学会追及や山口組本を数多く執筆してきたジャーナリスト、ノンフィクションライターで、1990年に東京都新宿区高田馬場の仕事場玄関前で左背中を刺されて重傷を負っています。山口組関係の著書が背景にあっての襲撃事件と見られましたが、犯人逮捕には至らず、時効が成立。さらに2006年に東京三鷹市の路上で溝口さんの長男が山口系元組員に太ももを刺されて重傷を負うという事件が発生。この襲撃事件では実行犯2人と直接の依頼者が逮捕され、溝口さんと長男は元組員と上部団体の山建組組長らを相手に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました(2008年に和解)。一連の襲撃事件によって、溝口さんの山口組の実態や今後の動向などに対する分析、予測がいかに正鵠をえているものであったか、暗に示されたと言っても過言ではないでしょう。本書『ドキュメント 五代目山口組』はそうした反社会的組織の知られざる内幕をまさしくインサイドから寄せられた匿名情報の真偽を丁寧に確認しながら事実を積み上げていくという、溝口さんらしい一冊になっています。とくに暴力団はこわいもの、といった旧来のステレオタイプ的な暴力団像が急速に変化していて、すぐそこにいる隣人のような顔をした存在になってきているという指摘には、それこそ目からウロコのような驚きがあります。いわゆる暴力団対策法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)以降、私たち一般市民も暴力団など反社会的組織との接点をなくすことを強く求められるようになっています。そのような世の中の変貌は当然ながら山口組のシノギにも大きな影響を与えています。なんでも肥大化した山口組所属の暴力団員は2万2000人で、全国の暴力団員の4人に1人が山口組系という計算になるそうです。ここまで突出した山口組でさえ、溝口さんによれば、合理化時代にあって「盃の契りよりカネ」の精神色濃く、かつての任侠映画とは全く違う有り様となってきているという。山口組系の中堅組員の証言を引用します。〈わし喧嘩はようしません。その力もないし。今いちばん、考えていることは素人の人に可愛がってもらういうことだけですわ。実際わしらの仕事いうたら、顔を知ってもらって可愛がってもらう、これで七割いくのとちゃいます?〉具体的には中小規模の建設業や風俗産業、不動産業や金融業などを含む社長や店長といった者のお近付きを得、債権-債務の関係などのもめごとの際、解決を任されるということだろう。ほとんど出入りの業者の雰囲気さえ漂う――溝口さんは現場の声を拾い上げて、平和主義、経済主義にカジを切った山口組の今後をこのように指し示しています。これはとりもなおさず、私たちにとっては、「仕事の相手、気がついてみたら暴力団関係者」という時代が始まっているということです。その意味で、1990年に出版され、2002年に文庫化された本書がいま、電子書籍となって改めて読むことができるようになったのはうれしい限りです。反社会的組織「暴力団」に対する旧来の先入観をこの際捨て去って、新たな気持で目を通しておくべき必読書です。(2011/12/16)
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