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自分は絵がうまい。本気でうぬぼれていた林明子(高3)は竹刀を持った絵画教師・日高先生に罵られ…!?少女まんが家を夢みたあの頃を描くドラマチック・メモリーズ!

総合評価
4.2 レビュー総数:7件
評価内訳

かくかくしかじかのレビュー一覧

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  • ネタバレあり
    ある意味、一種の通過儀礼的な別れ
    東村先生の大学受験から作家デビュー初期辺りに重点を置いた自叙伝です。全体的に明るいタッチで日常生活や絵に対する思いについてがメインなので東村先生の作品を未読の方でも充分楽しめると思います。
    ちなみに私自身は元々、小学生の時に「きせかえユカちゃん」がすごく好きだったこともあり読み始めました。きせかえユカちゃんのコミックのあとがきに書いてあった話と作中に出てくる話がかなりリンクしていて、製作当時の裏側を詳しく知ることができます。
    物語は作者のモノローグから始まり高校時代に出会った恩師との8年間について中心的に描かれます。話が進むにつれて悲しい結末を予想させる進み方ながらも、あくまでお涙頂戴の感動的な描き方ではなく、明るいタッチで過去の楽しい思い出話を主軸に描かれているので陰鬱とした雰囲気はなく読みやすいです。
    後半、恩師に対する思いがありながら自分の野望を捨てきれなかった場面や、作者が東京に行った後のやけに淡々としたモノローグは懺悔や後悔の気持ちがひしひしと伝わってきて胸が締め付けられます。そしてそれらは漫画家である作者特有の特別なことではなく、多くの大人が進学や就職、結婚など新しい人生の場面へ進むときに体験したであろう別れや葛藤だから余計に共感し、胸を打つのかもしれません。
    • 参考になった 2
    投稿日:2017年02月14日
  • 匿名希望
    泣きました
    日高先生とのことを後から思い返して語るシーンが何度もありましたがその度に胸がきゅうってなり切なかったです。一冊の中で何度も笑ったり泣いたり、感情がぐちゃぐちゃになりました。すごく惹きこまれます。
    • 参考になった 8
    投稿日:2016年03月09日
  • ネタバレあり
    自叙伝漫画
    創作よりも事実の方が面白いことってよくありますよね。
    一挙に読み切ってしまいましたが、一挙に読み切らせるだけ実に詰まった内容でした。
    自叙伝らしく途中で現在にもどったり、過去にもどったりとやや読みにくい点もありましたが、個性的な恩師とご本人のキャラクターがたっていて飽きずに最後まで読めました。
    私も恩師に恩返しせぬままに縁が切れてしまった過去があるため、読んでいて自分のこととかぶり、後悔の涙がこみあげてきました。
    アニメ化してほしいですね。
    これは。
    人との付き合いであいが如何に一期一会で後戻りできないものかということを知ることができる良作だと思います。
    • 参考になった 3
    投稿日:2015年10月07日
  • 自伝・・・というより初恋物語のよう
    話の肝は、彼女が美大を受験したいと思った時に出会ったひとりの絵画教室の先生です。
    その先生がもう・・・もうガサツなようでやかましくてでもかっこよくて。
    正直、話の終盤では涙してしまいました。

    主人公は作者である東村アキコさん本人。
    彼女は幼い頃から「漫画家になる」と思っていたのですが、
    「漫画家になる」から「漫画家になりたい」という変移・・・というよりは変異だったり、
    そこへ至るまでどれだけ時間を無駄にしたり大切なものに出会ったり
    そしてそれが大切だとわからなかったりしたことが描かれています。
    たぶん誰もが思う、「歳をとった今ならわかる。あの頃の自分をぶん殴りたい」というものをそのまま描き出されているんじゃないかな、と。

    僕は他の☆1レビューを観てから購入したのでちょっと不安だったのですが
    読んでみると、主人公は主人公なりに精一杯頑張っていました。
    自分が頑張るシーンなんて描きづらいのか、数コマしかないので
    どのくらい頑張ったのかがわかりづらいですし、
    僕は頑張るベクトルが自分とは違うと理解しづらかったりするのですが
    それでも読んでて「こいつ楽して要領いいだけだな」とは、思いませんでした。

    「あのときの自分は本当に寝る時間もないし遊んでもいないし一生懸命だったって思うけど、今思うと全然そんなことなくてもっといいやり方が出来たはずだ。あの頃の自分は馬鹿だなあ」
    なんて思うような、そんなそのときその年齢の自分の頑張りを思い出したりしてしまいます。

    あ、作者ご本人が「美大を目指している人や美大在学中の人へ向けたメッセージっぽい何か」を描かれているので、目指している方が読んでも面白いと思います(おもわず笑ってしまいますが)。
    もちろんそうでなくても。

    この作品のキーワードは
    未来の自分から過去の自分へ、青春、失ってから気づくもの、頑張りとは何のため、
    お金を稼ぐこと、描け
    かな?
    • 参考になった 3
    投稿日:2015年10月02日
  • 沁みる。
    久々に沁みる本でした。
    「人として何かを捨て去る事で得るモノもある」
    日本一を求め続け それを指導した恩師 何かと問題のあったお方で自分たちの指導を最後にどこかに消えて行かれました・・・・

    心の隅に引っかかっていた事を形にして掘り起こしてくれた 個人的には名作。
    • 参考になった 2
    投稿日:2015年06月04日
  • 匿名希望
    ガリベンタイプには楽しめなかった
    学生時代、学びたくて入試を受け、真面目に実技も筆記も努力して良い成績を残す為に
    励んでいたタイプの自分には楽しめませんでした。
    少数派だと思います
    多くの方が評価している作品なので面白く素晴らしいのは確かだと思います。
    ただ学生当時、リア充なクラスメイトがひたすら練習しているグループをバカにしていた
    事を思い出して何だか辛くなりました。
    よく任侠好きの方が好む「若い時はヤンチャした方が出世する」という格言?
    が好きな方には好感が持てると思います
    私は自分の人生が否定されているようで読んでいて辛かったです
    少数派の個人の意見で、大変熱狂的なファンが多く、少しでも否定すると烈火のごとく叱られるのでレビューするのも恐ろしいのですが・・・私個人の感想です。
    きちんと正規ルートで全巻購入しての感想です。
    • 参考になった 8
    投稿日:2015年05月15日
  • またまた東村アキコ先生の作品ですが、こちらの『かくかくしかじか』はいつも通り面白いのに、切ない、とっても胸に来る作品です。女性漫画家版『まんが道』を想定した自伝エッセイ漫画とのことで実話に基づいて描かれており、やっぱりなぜこの作家さんにみんな惹かれていくのかが、分かってしまったような気がしました。なんといっても恩師の「日高先生」がどんどんと影響力が出てくるのですが、ほんと、時間がたたないとわからない、感謝ってありますよね。今思うと「恥ずかしすぎる!」という若かりし頃の言動の数々。ああ!先生、先輩、お父さん、お母さん、こんな私を許して!と叫びたくなる時があります。あの時なんで私はわからなかったんだろうって、そんな気持ちを代弁してくれている作品です。ダメな時の自分を包み隠さず東村先生が描いているので、本当に自分もそうでした!と漫画家を目指してはいませんでしたが、本当にそう思いました。そして今を頑張ろう!と元気をもらえるそんなマンガです。東村アキコ作品を読んだことがない方のきっかけによい作品なのではと思いました。
    • 参考になった 8
    投稿日:2014年05月02日