書籍の詳細

真っ赤なギターを背負ったその男は、機械だった…!?ロボット工学の権威・光明寺博士が、亡き息子を偲んで開発した人造人間「ジロー」。彼には特別な「良心回路(ジェミニィ)」が備わっていた!が、研究支援者でもあった大富豪ギル教授の企みにより研究所は爆発、博士は行方不明となる。回路が未完成なまま消えた「ジロー」を探せとの父のメッセージに、娘のミツコは…?自らの存在意義に苦悩する石ノ森ヒーロー、登場!

総合評価
5.0 レビュー総数:2件
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人造人間キカイダー 【石ノ森章太郎デジタル大全】のレビュー一覧

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    善と悪、兄弟の相克〜希望と憂愁
    ともするとテレビ版のイメージのみで語られがちな本作は、漫画作品としての仮面ライダーが手を離れた後、巨匠がピノキオにモチーフを取って心血を注いだ名作であると知る人の少ないことが残念でなりません。
    ジローは人間性の獲得を願いながら、不完全な良心回路という人間そのものの相似形のような機能を持って造られたことで皮肉にもヒトと変わらぬ心を既に内に宿していました。ゆえに悪として生まれた弟と、心を持たず本能のままの如くに振る舞う兄との間で苦悩を募らせます。
    そして終わりにジローは自己の確立によって禁忌を犯すことになりますが、実はそれこそが人間性の獲得の証明なのだという悲しいアイロニーで物語は幕を引きます。
    ピノキオは人間になってめでたしめでたしとハッピーエンドを迎えますが、命の尽きるまで善悪のはざまで揺れ苦しみにさいなまれる人間とは果たしてそれほど幸福なものなのだろうかという巨匠の問いかけが、この作品を読んでからずっと私の胸にあり続けています。
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    投稿日:2016年03月23日
  • 「悪いこと!? ──悪いことってなんだ!? おれたちは命令されたことをやるだけだ!!」機械人間にとっては、主の命令が絶対で善悪を判断する必要はありません。しかし、「良心回路」を不完全なかたちで組み込まれてしまったキカイダーことジローは、善と悪の狭間で苦しみ続け孤独な闘いを続けます。そんなジローの姿が心を打つ作品です。一方、敵として描かれる機械人間も、よく考えると一途に任務を遂行してるんですよね。腕をもがれようが、ツノを折られようがおかまいなしに。。。そんな風に読んでみたら、また違ったおもしろさがあるかもしれません。
    • 参考になった 1
    投稿日:2010年06月08日