書籍の詳細

正義と人権を尊重することで有名な「白石誠法律事務所」。この日、新人弁護士の武田真実は、事務所の先輩・九頭元人と、上司からのセクハラが理由で会社を辞めた女性の相談を受けていた。だが、親身に応対する武田に対し、九頭は「チチもまれてキモチよかったか?」などいい加減な発言ばかりで…!?

まだユーザーレビューはありません。最初のレビューを書いてみませんか?

弁護士のくずのレビュー一覧

絞込み条件
  • レビュアー絞込み
表示形式
  • 表示件数
  • 表示順
  • 誰がどう見てもそりゃ有罪だろ!! という事件がニュースで取り上げられることがあります。でも、日本は法治国家だから、判決までは白黒どうなるのかわかりません。『弁護士のくず』(井浦秀夫)は九頭(くず)弁護士が、トラブルに陥った当事者間の表層だけでは見えない真実をあぶり出します。九頭は洞察力に優れているわけなんですが、一見弁護士らしからぬずけずけとした物言いから、場の空気をこわばらせることが度々あります。九頭にしてみれば至極まっとうなことを言っているのですが、同僚の弁護士ですら全体像が見えていない段階で九頭が先走るようです。読者も今までずっと白に見えていたものが実は黒だったという、その真実を知らされたときに溜飲を下げるのが、本書の醍醐味のようです。一見仮面のような表情をしている九頭ですが、まれに感情に抗えない時もあります。私が好きな話は、「娘」である葉月が九頭を頼って上京したときの「まぶたの父」(1巻)です。涙なしには読めません。オセロのように白黒はっきりさせるのが裁判ですが、真実≒真心なのかもしれない、そんなことも感じました。(2012/3/13)
    • 参考になった 0
    投稿日:2012年03月13日