書籍の詳細

婚約者と奈良の実家に帰った玲は、かつて姉の綾が結婚目前に首を吊った蔵にはいる。姉の遺品に見つけた、珍しい蛇の浮き彫りのある古鏡。その日を境に、玲の心の中で何かが変わっていく。近くの発掘現場で掘り出された、ふしぎな水濠址。祭りを前に一人焦る、神社の神主。もうじき「みぃさんの祭り」がやってくる……連子窓からひっそりとお互いを覗きあう古い町で、何かが起ころうとしている。神代の闇から語りかけてくるのは誰?人の心の移ろいを描き出す傑作伝奇ホラー小説。

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蛇鏡のレビュー一覧

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  • 日本書紀の神話をモチーフとした作品、そそられるんですよね。そこに薄倖の美女が出てきたら辛抱たまりません。そして全体をじんめりと覆う血の匂いや土着的なテイスト。こういう本が大好きなので、雑食の私としては久しぶりに「当たった!」気がした作品です。舞台は奈良。連子窓が連なる衆人環視の街。それを嫌って上京した女性が婚約者を伴い帰郷するところから物語がはじまります。(その気持ちわかる!)遺跡発掘現場の謎の水濠、蛇神様を祭る神社とお祭り、そして姉の自殺の謎。転げ落ちた「蛇鏡」――。女性だからこそ描きだせる心の機微と、物語に纏わせることのできる独特の粘り。心の「業」を、ぜひとも感じ取ってみてください。
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    投稿日:2009年10月23日