黄昏人の王国

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ノスタルジックに幻想的に、吸血鬼をメインテーマに描くさつきが悲鳴を上げた。葦の間から、何か、霧みたいな白い煙が立ち昇るや、勿然と、ひとりの娘の姿が現れたのである。美人だった。月みたいな女だ、とおれはぼんやり考えた。白いワンピースを着ているのに、それが目立たない。肌の色が透き通るようなのだ。それよりも何よりも、おれをすくませたのは、その娘の全身から漂う、ぞっとするような雰囲気だった。(「青い旅路」より)伝奇バイオレンスの第一人者が描く、ノスタルジックで幻想的な、吸血鬼をメインテーマとする青春ホラー短篇集。・帰還・夏のうた・夕映えの女・薔薇戦争・青い旅路・白い国から・大海●菊地秀行(きくち・ひでゆき)1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。

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ノスタルジックに幻想的に、吸血鬼をメインテーマに描くさつきが悲鳴を上げた。葦の間から、何か、霧みたいな白い煙が立ち昇るや、勿然と、ひとりの娘の姿が現れたのである。美人だった。月みたいな女だ、とおれはぼんやり考えた。白いワンピースを着ているのに、それが目立たない。肌の色が透き通るようなのだ。それよりも何よりも、おれをすくませたのは、その娘の全身から漂う、ぞっとするような雰囲気だった。(「青い旅路」より)伝奇バイオレンスの第一人者が描く、ノスタルジックで幻想的な、吸血鬼をメインテーマとする青春ホラー短篇集。・帰還・夏のうた・夕映えの女・薔薇戦争・青い旅路・白い国から・大海●菊地秀行(きくち・ひでゆき)1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。

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