書籍の詳細

フロイト、ユングと並ぶ心理学三大巨匠の一人、アドラー。日本では無名に近い存在ですが、欧米での人気は抜群で、多くの自己啓発書の源流ともなっています。本書では、アドラー心理学の第一人者である岸見一郎氏がライターの古賀史健氏とタッグを組み、哲学者と青年の対話篇形式で彼の思想を解き明かしていきます。

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嫌われる勇気のレビュー一覧

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  • アドラーブームを引き起こしたベストセラーです。アルフレッド・アドラーは、フロイト、ユングと並んで心理学の三大巨頭といわれており、欧米で絶大な支持を受けているそうです。自己啓発書の古典ともいえる『人を動かす』『道は開ける』を書いたデール・カーネギーや、『7つの習慣』を書いたスティーブン・コーヴィーも、多大な影響を受けたといわれています。

    本書の原案を担当した岸見一郎さんは、専門の西洋古代哲学と並行して長年アドラー心理学を研究し、精力的に講演・執筆活動やカウンセリングを行っています。この本は、岸見さんの著書を読んで感銘を受けたライターの古賀史健さんが、何度も何度も岸見さんと対話を重ねたことで生まれたそうです。岸見さんを彷彿とさせる「哲人」と、古賀さんを彷彿とさせる「青年」の対話を通じて、アドラー心理学(個人心理学)が分かりやすく解説されています。

    この対話が本当に面白い。特にこの青年のキャラがいい。幼い頃から自分に自身が持てず、出自や学歴、容姿に強い劣等感を持ち、他人の幸福を祝福できず、いつも自己嫌悪に陥ってしまう青年が、人は変われる、世界はシンプルである、誰もが幸福になれるという哲人を論破しようと、感情を爆発させて何度も何度も疑問をぶつけていく。ネガティブ全開の青年からの質問を、哲人は正面から受け止め、丁寧に答えていきます。この繰り返される対話によって、読者が抱くであろう数々の疑問が解消されていくので、読後にモヤモヤが残りません。

    では、アドラー心理学とは何なのか。私が特に心に残ったのは「目的論」と「課題の分離」です。例えば、「私は学歴が低いから成功できない」と考えるのが原因論、「成功するのに必要な努力をしたくないから、学歴の話を持ち出している」と考えるのが目的論です。厳しい考え方だという方もいるかもしれません。しかし、どんな過去があろうとも、自らの選択によって幸せになれるというアドラー心理学には、希望があると思います。「課題の分離」については……本書を読んでください(笑)。

    アドラー心理学をほんとうに理解して、生き方まで変わるようになるには、「それまで生きてきた年数の半分」が必要、と哲人はいいます。ただ、本書はとても読みやすいので、何度も何度も読み返し、理解を深めることができると思います。さらに、この本を原作としたドラマ『嫌われる勇気』が、2017年1月12日にスタートしました。本書を読んで、ドラマを見て、日々の生活のなかでアドラー心理学を実践する。そのくり返しで生き方が変わり、嫌われることを恐れず、幸せになる勇気を持つことができるようになれば、本当に素晴らしいですね。続編の『幸せになる勇気』も、ぜひあわせてお読みください。
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    投稿日:2017年01月13日