書籍の詳細

近未来を舞台に“神々を滅ぼす男”と呼ばれる最強の兵士の活躍を、壮大なスケールで描いたSFアクション。神々を滅ぼす男という意味を持つ「ラグナロック」と呼ばれる男、ガイ・グレイバードの抹殺指令を受けたメルダー部隊7の隊長・ハニーデュー・ハニー。最強を誇る特殊機動部隊“30・サタン”の唯一の生き残りであるガイは、自分を襲ってきたメルダー部隊7の本陣へ乗り込んでいく。そこでガイと対峙したハニーは、彼が軍に追われる理由を尋ねるのだが……!?

総合評価
4.0 レビュー総数:1件
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ラグナロック・ガイのレビュー一覧

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    ネタバレあり
    強く優しく温いダークヒーローを求める人に
    ひょんな事から自分が所属するメルダー連邦軍の全てから命を狙われる事になった、作中最強クラスの主人公ガイ・グレイバード…
    その境遇は同じ作者の前作「ジャスティ」の主人公と比べても明らかに理不尽かつ悲劇的です。
    ガイ本人は一見かなり冷酷非情な人間で、その場で看護婦を人質にして自分を陥れる兵士を人質ごと殺そうとしたり、時には十億人もの民衆をも犠牲にしようと試みたかのようにさえ見えます。

    しかし実は周囲の状況や相手の仕草などを冷静・的確・迅速に判断して巧妙かつ大胆に立ち回る事で、到底ありえないレベルで犠牲者を最小限に抑えるような戦い方を成功させたり、運悪く巻き込んだ民間人に余計な火の粉が降りかからないよう気遣ったりもします。
    さらに普段は喜怒哀楽を表に出さない一方で「ここぞ」という時は強敵の「悪意」に対して怒りを露わにするなど、周囲の人々が抱く悪魔的イメージとは大きくかけ離れた優しさこそが彼の本性です。
    それでいて自分が倒すべきと見定めた相手は、例え果てしなく強大でも迷わず立ち向かい、情け容赦なく叩き潰せるだけの強さを併せ持っています。

    これほど器の大きいガイを中心とする本作は他の一般的な戦場ダークヒーロー物に比べて理不尽な感じが少なく、最終的には序盤から考えられないほど大スケールで展開された数々の伏線を暖かく包み込むような感じで収束し、明日への希望を感じさせる穏やかな結末を迎えます。
    周囲の声に惑わされずガイを一途に慕ってくれる本命の清純派美少女ヒロインも、「脱いだら凄い」美しく色っぽい裸を作中で露わにするような読者サービスを混じえながら、他の誰にも汚されないまま身も心も無事に報われる…
    そんな仮面ライダーシリーズですら滅多に見られないような優しい結末に納得できるダークヒーロー物は、本作の他に一体どれだけあるでしょう?
    これこそが本作(全7巻)の大きな魅力だと言えます。

    ただし「ダークヒーローかくあるべし」と一家言を持つタイプの読者には、本作が温すぎてつまらないと感じられるかも。
    また「本来ラスボスとして扱うべきキャラは明らかに違うのでは?」と疑問を持つ人も、中にはいるかと思います。
    (私自身は割と自然に納得できましたが)
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    投稿日:2014年10月15日