三角館の恐怖

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父の遺言に従い、「長生きした側が全財産を相続する」と決めて四十年余、家族ぐるみ対立を続ける双子の健作と康造。自らの余命が幾許もないと悟った健作は、弁護士立ち会いの下、どちらが先立っても不利にならない契約を交わそうとするが、康造は承知しない。ところがその夜、康造が射殺されるに至って、立場は逆転……。挿絵・伊東顕

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父の遺言に従い、「長生きした側が全財産を相続する」と決めて四十年余、家族ぐるみ対立を続ける双子の健作と康造。自らの余命が幾許もないと悟った健作は、弁護士立ち会いの下、どちらが先立っても不利にならない契約を交わそうとするが、康造は承知しない。ところがその夜、康造が射殺されるに至って、立場は逆転……。挿絵・伊東顕

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書店員のレビュー

光文社から出ていた雑誌「面白倶楽部」に1951年(昭和26年)1月から12月まで1年間にわたって連載された小説を一冊にまとめたのが本書ですが、そのまとめ方が面白い。単行本用に組み版し直すのが普通ですが、本書は雑誌連載のページをそのまま、12回分まとめるというやり方を採用しているのです。その結果、時代を感じさせる毎回の挿絵をすべてそのまま見ることができて推理小説を読む楽しさを倍加してくれています。さらにもう一つ、ただの推理小説ではない、ユニークな趣向がこらしてあります。連載9回目、10回目(9月号・10月号)に掲載された犯人当ての懸賞企画「読者諸君へ挑戦 江戸川乱歩」がそのままのっているのです。正解の賞金は5000円、残念賞1000円。12月号で当選者3人、残念賞5人の氏名がちゃんと発表されています。第2次世界大戦が終わって6年、戦後復興が始まった時代の匂いがしてきます。アメリカの推理作家ロジャー・スカーレットのトリックの面白さに惚れ込んだ江戸川乱歩が同氏の「エンジェル家の殺人」を翻案した一級の推理小説で、タイムスリップして雑誌連載を一年かけて読み続けるような、ひと味ちがった読書体験を堪能できます。(2010/2/12)
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