東京十二契

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<十二景と名づけず、「十二契」としたのは、ぼくと土地との契りをつづってみたかったからだ──>(本文より)。銀座、青山南町、六本木、そして新宿、四谷、沼袋、東伏見。住み替え、住み替えて生きてきたそれぞれの街、淡く濃く交わったそれぞれの女たちは、今どうしているだろう。戦後の焼跡時代からはるかに三十数年経って、風来無頼のままに年月を過した十二の町を、当時の記憶をたどって再訪し、巷に失われた時を探す、極私的な東京センチメンタル・ジャーニー。

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<十二景と名づけず、「十二契」としたのは、ぼくと土地との契りをつづってみたかったからだ──>(本文より)。銀座、青山南町、六本木、そして新宿、四谷、沼袋、東伏見。住み替え、住み替えて生きてきたそれぞれの街、淡く濃く交わったそれぞれの女たちは、今どうしているだろう。戦後の焼跡時代からはるかに三十数年経って、風来無頼のままに年月を過した十二の町を、当時の記憶をたどって再訪し、巷に失われた時を探す、極私的な東京センチメンタル・ジャーニー。

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書店員のレビュー

「三十七年、四谷へ妻を迎えた、妻はそれまで、宝塚で一人住いだったから、後生大事に米穀通帳を所持し、これを登録しなければならないと、おごそかにいった、ところが、ぼくは都内を転々とするうち、どこかへ置き忘れてしまい、やがて食い物も豊かになって、通帳の世話になることがない、早い話、四谷には新潟から、うまい米がトラックで運ばれてくる。その道理をいいきかせたが、妻は納得しない」――昭和25年から37年まで、東京の町を転々としながら暮らした野坂昭如は、その土地との関わりを綴った本書『東京十二契』で、結婚をして東京で妻と暮らし始めた頃のことをこう書いています。米穀通帳は日米開戦の翌年、1942年(昭和17年)に始まる食糧管理制度のもとで米の配給を受けるために必要とされた通帳で、引っ越しをするときには必ず新しい住所に変更しておかなければならなかった。身分証明の代わりにもなった大事なものだったが、米の流通が自由化されていくのにともなって、徐々に必要性が薄れていった。最終的には1981年6月に食糧管理法が改正されて米穀通帳は廃止となったが、1960年代前半(昭和30年代後半)は確かに必要で、これなしにはアパートを借りるのもままならない時代でした。「お米の通帳のない家なんてありません」世帯主なんだから、あなたを筆頭者とし、つづいて妻ナニコと記した通帳がいる、妻はそう主張して譲らない。小滝橋、戸塚2丁目、野方、沼袋、鍋横、参宮橋、梅ヶ丘、文京区柳町と遠い記憶をたどって思い出しはしたものの、ほとんど夜逃げ同然、不義理を重ねたあげくで、今更、配給の転出証明などいい出せない・・・・・・。それでも断固として探してくるよう命ずる妻。錦松梅を手に出かけていった野坂昭如、首尾よく通帳を手に入れてきたものの、今度は米屋がどこにあるのかわからない。妻は「お米屋さんを知らないで、どうやって食べてたの」と不思議そうだったとありますが、野坂昭如、米を買う金があれば飲んでしまっていて、東京で米屋に行ったことがなかったと、正直に書いています。今は妻に支えられてリハビリに励む日々と聞きますが、本書で語られる若き野坂昭如と妻との間の出来事からは、無頼派といわれてきた野坂昭如のもうひとつの顔が見えてきます。二人はこの後、昭和41年5月に練馬に転入します。そして転入の日から5日後、代表作『エロ事師たち』の出版記念会がホテルニューオータニで盛大に開かれます。無頼派作家への道を歩んだ時代、過ぎし日への旅立ちで野坂昭如は何を見、何を思ったのか。あとがきに、こうあります――「オリンピック前後を境に、東京の街は面目を一新し、もし以前のままであれば、街角のたたずまいや、見覚えのある看板に、いちいち胸ふたがれ、うなだれてそそくさと立去って当然のところ、幸いにしてというべきか、わが不真面目の痕跡は片鱗も残さず、消え去ってしまっていた。今浦島というよりは、定跡通り戻ってみたものの、犯行現場がすっかり変ってしまっていて、血の色も臭いもなく、とまどっている犯人の心境。だから十二契はまた、俺はここで、たしかに人を殺した、誰だ俺の死体を盗んだ奴はと、さけんでいるようなものだ」感傷を超えて変貌をとげた東京への、そして時代のうつろいに思いを馳せる時を過ごしました。(2011/11/25)
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