書籍の詳細

イギリスに子連れで留学中の元女優・佐久間浩美が突如、ベルリンで北朝鮮関係者に拉致された。ロンドン駐在の商社マン安原は事態の異常を察し、浩美の安否を確かめようとするが、すでに浩美は北朝鮮・平壌に移送された後だった。浩美は平壌の招待所に監禁され金正日のもとに連行される。そこで彼女が強要されたのは屈辱的な任務だった──。北朝鮮による日本人拉致事件と連合赤軍によるさまざまな国際事件を彷彿させる問題作。1990年当時、拉致の実態はここまでわかっていた!

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  • 1982年「炎熱商人」で第87回直木賞を受賞したのを機に日本航空社員と作家という二足のわらじを脱いだ深田氏が脂ののりきった1992年7月から94年1月まで1年半あまりの週刊誌連載でまとめたのが本書。上下2巻。北朝鮮の日本人拉致問題、赤軍派、日本人商社マン誘拐事件などなど当時社会を騒がせた重大事件を巧みに組み合わせ、一見平和裡に暮らしている日本人がじつは権謀術数渦巻く国際社会の裏側ではいつも命の危険にさらされているという現実、私たちの「平穏な生活」がじつはどれほど危ういものなのかを語っていく筆致は円熟した作家ならではのものだろう。物語の舞台もロンドン、ベルリン、平壌、マニラと世界的規模で展開するスケールの大きさも注目していいでしょう。国際舞台を歩き回った深田氏の都市描写も詳細をきわめていて楽しめる。(2010/2/12)
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    投稿日:2010年02月12日