書籍の詳細

もしも自由に記憶を取り出すことに出来る社会だったら…覚えておきたい想い出、忘れ去りたい記憶、あなたにはありますか?「メモリーセーブキャンディー」…通称「MSC」と呼ばれるキャンディーのようなメディア。お値段、一つ10万円。トラウマになった記憶を取り出したり、大事な想い出を保存できるこのサービスを取り扱うMSC社のミオの元に、今日も新しい顧客が尋ねてくる。…たとえば、高校生の時、好きだった彼女に「童貞なの?」とバカにされたトラウマに苦しめられている大学生。…たとえば、死を間近に控え、遺言をMSCにこめてドラ息子たちにいじわるをするおじいさん。――彼らは、その果てに何を想い、何を見つめるのか?

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おもいでだまのレビュー一覧

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  • 「あああああああ!!!!!!!!!!!」と心のなかで叫びながら頭を抱えたくなる、嫌な思い出って誰でも一つや二つあるはず。それが日常生活へのトラウマにつながっているような思い出だったら、なんとか記憶から削除してしまいたいと思うのが、まっとうな感情の動きかもしれません。実際にそれができるとしたら、あなたはどうします? 『おもいでだま』(荒井ママレ)は、人の記憶をMSC(メモリーセーブキャンディー)と呼ばれる、飴玉のような物質に取り出したい記憶を凝縮することができるサービスを施す会社が舞台。1回の施術料10万円は高いのでしょうか、安いのでしょうか。消したい思い出を抱えて、この会社を訪れる利用者の胸の内はさまざま。悲惨な失恋の過去を消したい青年や母親に捨てられた記憶からアルコール依存症になりかけているアイドルなど、切羽詰まった人々です。この漫画を読んでいて印象に強く残ったのは「記憶を売る若者たち」というサブタイトルのお話。記憶を取り出したがる中学生とその妹弟の物語です。どうしてこんな年端もいかない子供が家族の記憶を消したがるのか、その背景を読み進めるうちに思わず目頭が熱くなりました。カタルシスを喚起する内容が満載なので、きっと、あなたの名作漫画の思い出に残ることうけあいです。

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    投稿日:2015年04月17日