書籍の詳細

作家になりたくて、でも、甘ったれの幸せな「夢見る夢子さん」のままじゃ作家には絶対なれないと思っていた10代。自分で自分の背中を蹴っ飛ばし、外の世界に触れ、文化人類学の道を志した20代。そして、その先に待ち受けていた「作家として生きつづける」という新たな登り坂……。壮大な物語世界を生んだ作家の道程が問いかける、「読むこと」「書くこと」「生きること」とは。

総合評価
4.0 レビュー総数:1件
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物語ること、生きることのレビュー一覧

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  • 上橋ファンタジーのファンなら読みたい一冊
    新作を出すたびに、地球上の何処にも存在しない、でもあたかも実在するような細かな描写で表現し、気付けばドップリと上橋ワールドに引込まれる。こんな世界観はどのように産み出されたのか?上橋ファンならきっと気になるはず。

    私もそんな中の一人でした。「お話を作る人」になる事は、上橋菜穂子の幼少の頃からの夢だったそうです。
    この本では、幼少の頃から作家としてデビューを果たす迄、少女菜穂子が誰に影響を受け、どんな本を読み、どんな壁にぶち当たり、作家になる為にどのような努力をしたかが事細かに描かれています。

    その中でも私が一番ステキだと思ったのは、お婆ちゃんの存在です。上橋菜穂子の感性豊かなDNAは、語り部でいつも少女菜穂子をワクワクさせて、想像力を掻立ててくれたお婆ちゃん無しには生まれなかったのだと思います。お婆ちゃんはファンタジー作家、上橋菜穂子誕生の火付け役だったのだと思います。少女菜穂子が沢山の物語を読むようになったのも、お婆ちゃんの影響だったのかもしれません。

    それにしても上橋先生、凡人の私から見れば「天才」なのですが、意外にも自尊心が低い、とーっても謙虚な方のようです。作家になる自信など全く無く、それでも幼少の頃からの夢を追い続け、作家になるための題材を追求していると歴史や文化人類学に辿り着いていた。馬にも乗ってみたし、柔術も習ってみた。「守り人」や「獣の操者」に出現する生々しい描写や表現は、上橋先生の生の経験から生まれているのだと思いました。

    子供の頃の夢を真直ぐに追い続け、そのための努力を惜しまなかった人。夢を追い続ければ実現する事が出来る事を証明した人。夢を持つ事の大切さを思い直す一冊になりました。

    貴方が上橋ファンタジーのファンなら是非オススメしたい。一人の人間としての上橋菜穂子の魅力と可愛らしさを垣間みる事ができます。
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    投稿日:2014年11月30日