不当逮捕 本田靖春全作品集

500円 (税別)

獲得ポイント 5pt (1%還元)

読売新聞の検察担当記者が逮捕された。スクープを連発していた立松和博が汚職事件を追っているなかで、記事が誤報だとされ捕まったのだ。しかし、これにはウラがあった。検察内部で熾烈な権力闘争が繰り広げられており、検察は情報源をあぶり出そうと、立松に罠を仕掛けたのである。逮捕された立松は情報源を決して明かすことはなかった。しかし読売新聞社は検察に妥協してしまう。新聞記者とはどうあるべきかを問う著者の代表作。【解説:後藤正治】

カゴに追加 500 円(税別)

読売新聞の検察担当記者が逮捕された。スクープを連発していた立松和博が汚職事件を追っているなかで、記事が誤報だとされ捕まったのだ。しかし、これにはウラがあった。検察内部で熾烈な権力闘争が繰り広げられており、検察は情報源をあぶり出そうと、立松に罠を仕掛けたのである。逮捕された立松は情報源を決して明かすことはなかった。しかし読売新聞社は検察に妥協してしまう。新聞記者とはどうあるべきかを問う著者の代表作。【解説:後藤正治】

ユーザー評価なし レビューを見る
書籍の詳細

書籍一覧1冊の書籍

書店員のレビュー

「正義」を代表する存在と自負することにおいて、揺るぎない自信をみなぎらせている二つの組織があります。一つが検察(なかでも特捜部)であり、他の一つが新聞です。言うまでもなく「新聞」は全国紙だけでも朝日・読売・毎日など数紙ありますから正確には「一つ」ではありませんが、新聞ジャーナリズムという意味で一つとして考えても現実とそれほど意味が違ってしまうということもないでしょう。
 とまれ、本田靖春は第6回講談社ノンフィクション賞(1984年)を受賞した本書『不当逮捕』で、スクープ連発の読売新聞社会部のスター記者に対する検索当局による「不当逮捕」の問題を当時、社会部記者として読売内部にいたものだけが知りえた事実も盛り込んで冷静な筆致で検証していきます。
 記者逮捕の理由は、二人の代議士に対する名誉毀損の疑い――売春禁止法の成立を阻止しようとする売春業者から賄賂をもらって法案つぶしに動いたと記事に書かれた国会議員がスクープ記事を書いた読売記者、編集幹部、さらには記者に対して捜査情報を漏らした検事(氏名不詳)などを告訴。それをうけた検察庁は、東京高検を現場担当として記者の逮捕に踏み切ります。狙いは情報源となった検察関係者は誰なのか、を記者に自供させることでした。背景には戦前から続く検察内部の派閥抗争があり、その意味では名誉毀損の容疑では異例の逮捕に追い込まれた読売記者は検察の内部抗争のとばっちりを受けたといえなくもありませんし、現に拘置延長は裁判所によって認められることなく釈放されることになります。
 しかし、読売新聞は問題の発端となったスクープ記事と同じ大きさで「汚職の疑いは間違いだった」という否定記事を出すことでその問題に決着をつける。そして取材源を守り通して釈放になった記者は英雄(ヒーロー)になることなく、閑職に追いやられて記者人生を終えていきます。
「スクープ記者」の栄光と不幸な最後を通して本田靖春は検索の「不当」をのみ描こうとしているわけではありません。本田靖春はむしろ、自らの記者を守れなかった、本気で守ろうとはしなかった大新聞(読売新聞)の罪をこそ突き詰めていきます。
 いまや検察は正義の体現者の役割を重要事件における検事自らの証拠物改ざんによって放棄してしまいました。第4の権力「新聞(ジャーナリズム)」は今もなお正義の体現者として世に君臨しているかに見えますが、その実態とは何か。内部にあるものだけが知りうることをベースに新聞の有り様を突き詰めていく本田靖春、そのジャーナリストとしての魂の叫びともいうべき事実の記録が本書です。(2011/7/1)
  • 参考になった 2

オススメ特集

一覧を見る

ここもチェック!

コンテンツについて

  • この商品は紙書籍ではありません。すぐにご覧いただける電子書籍です。
  • デジタルコンテンツのため、商品の性質上、返品できません。
  • 紙書籍とは内容が異なる場合がございます。また、サイトに表示されているサムネイルと電子書籍の表紙画像が異なる場合がございます。予めご了承下さい。
  • 対応デバイスに記載されていない端末は、購入できても読書はできません。ご注意下さい。
  • Mac OS X 10.5/10.6をご利用で最新版のebi.BookReaderがご利用できないお客様は、サイトの表記でMacが利用可能端末となっていてもリフロー書籍が読書できません。ご了承下さい。
  • Android OS 5.0以上でebiReaderをご利用のお客様は、サイトの表記でAndroidが利用可能端末となっていても一部のリフロー書籍が読書できません。ご了承下さい。