地球を斬る

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〈新帝国主義〉の時代が到来した。ロシア、イスラエル、アラブ諸国など世界各国の動向を分析。北朝鮮―イランが火蓋を切る第三次世界大戦のシナリオと、勢力均衡外交の世界に対峙する日本の課題を読み解く。

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〈新帝国主義〉の時代が到来した。ロシア、イスラエル、アラブ諸国など世界各国の動向を分析。北朝鮮―イランが火蓋を切る第三次世界大戦のシナリオと、勢力均衡外交の世界に対峙する日本の課題を読み解く。

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書店員のレビュー

 佐藤優(さとうまさる)。外交や国際問題、インテリジェンスをテーマに刺激的な論稿を発表している、いま最も注目すべき論客の一人です。佐藤優は、「日ロ支援協定」に基づき対ロシア支援に使われるべき資金を、海外の専門家の日本招聘や国際会議への日本人派遣のために不正支出させたという背任罪などで逮捕、512日間の拘留、最高裁における有罪確定を経て、2009年(平成21年)7月に外務省事務官失職となり、外務省内のロシア専門家という立場から職業的な文筆家へと転進しました。変な言い方になりますが、このことは私たちにとっては歓迎すべきことでした。広くメディアを通じてその分析や評論、主張に接することができるようになったからです。本書『地球を斬る』もその一冊です。日刊経済紙「フジサンケイ ビジネスアイ」に連載したコラム「地球を斬る」(2006年1月19日~2007年3月8日までの60回分)をまとめたもので、ただし単行本化にあたって連載の再録だけではなく、記事ごとにキーワードとなる語彙に解説を付け、さらに2009年8月の文庫化の段階では執筆の時系列で並べていた構成を四つのテーマのもとに関連論考をまとめる形で章立てを再構成して、書籍としての完成度を高める工夫をこらすと同時に、「文庫版序文」と「文庫版あとがき」100枚(400字詰め原稿用紙換算)を新たに書き下ろして付け加えています。文庫版序文には〈Qさんへの手紙 テロリズムを超えて 「思考する世論」をどうつくるか〉、文庫版あとがきには〈北朝鮮のシナリオ〉というタイトルがそれぞれつけられていることからもわかるように、たんなる序文、あとがきではありません。連載終了後の内外情勢の変化を踏まえての最新論考というべきもので、これによって筆者は、日本が現在直面しているアジア情勢の構造的変化をどう捉え、いかに対応するべきか、そして日本の外交戦略・危機管理に欠けているものは何かを追究する本書の内容のアップデートを意図したようです。2009年5月25日午前9時54分頃、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は、核実験を行った。あわせて25日午後には、咸鏡北道舞水端里(ムスダンリ)と南東部の江原道元山(ウオンサン)付近から日本海に向け、短距離ミサイル計三発を発射した。この北朝鮮による2回目の核実験は、国際関係の「ゲームのルール」を変化させかねない大事件であるとしたうえで、筆者は「北朝鮮のシナリオ」(文庫版あとがき)でこう指摘しています。〈北朝鮮がこのタイミングで核実験を強行した目的は二つあると私は見ている。第一の目的は、北朝鮮の国内体制固めだ。北朝鮮には独自のタイムスケジュールがある。端的に述べると、北朝鮮は二〇一二年という近未来を基点に、国家戦略を構築している。この年は、故金日成(キムイルソン)主席の生誕一〇〇年にあたる。北朝鮮では、金日成主席の誕生年である一九一二年をチュチェ(主体)元年とする元号制を導入している。金日成生誕一〇〇年を機に、金正日(キムジョンイル)氏(国防委員会委員長)から後継指導者へと権力を移譲し、チュチェ一〇〇年にあたる二〇一二年に改元を考えているのではないかと私は見ている。ちなみに金正日氏の後継者が誰になるかについて、さまざまな憶測情報が流れている。三男の金正雲氏(キムジョンウン。引用者注:後継者として指名されたときに金正恩という漢字表記となったが、以前の表記は金正雲だった)が有力であるとか、次男の金正哲(キムジョンチョル)氏の可能性が実は本命であるとかいう問題に深入りする意味はないと思う。北朝鮮にとって重要なのは、国家体制の根本原理(日本の伝統的言葉で表現するならば「國體」)を護持することだ。「國体護持」の観点からするならば、金日成氏と血がつながる息子が国家指導者に就任すれば、王朝は維持できるわけであり、王が誰になるかは本質的に重要な問題ではないからだ〉ご承知のように、チュチェ100年の2012年目前の2011年12月に金正日が死去、金正恩に権力が継承されたわけですが、重要なのは国家体制の根本原理である國体護持がなされること、すなわち金日成と血のつながりのある息子の誰かが国家指導者の役割を担うことだったというのです。王朝が維持されることが重要で、誰が(どの息子が)王になるかは本質的に重要な問題ではないと喝破していますが、人物そのものにハイライトをあてた報道が多く、その属人的な傾向に目を奪われがちであるだけに、佐藤優の指摘に目からウロコの思いがします。さて、北朝鮮が核実験を強行した第二の目的は、対米関係の調整です。筆者によれば、北朝鮮は力の信奉者です。そして、金正日指導部は、北朝鮮が弱い国であるということを十分に自覚しており、米国が北朝鮮を本気で叩(たた)き潰(つぶ)すという意思を固めれば、北朝鮮国家が瞬時に破壊されるという認識をもっているということです。それ故に、ありとあらゆる手段を用いて、北朝鮮は米国から金正日体制に対する安全保障を得ようとしているのだということを知っておく必要があるという筆者の指摘は重要です。〈北朝鮮は、米国が主導で、国連安保理を用いて、対北朝鮮封じ込めを目論んでいると認識している。この認識は正しい。米国もその他の国連安保理常任理事国も、これ以上「核カード」を弄ばないように北朝鮮に圧力をかけて、封じ込めることを考えている。特に米国と日本は、北朝鮮が偽札や麻薬を製造しているという強い疑念をもっている。このことに対して北朝鮮は強く反発し、現在、切ることができるすべての恫喝カードを切っている。《今となっては核の放棄というものは絶対に、徹頭徹尾ありえないこととなり、われわれにとってわれわれの核兵器の保有を誰が認めるか否かは関係のないことである》と宣言し、核保有国としての立場を死守するという姿勢を明確にした。その上で、《新たに抽出されるプルトニウム全量を兵器化する》、《ウラン濃縮作業に着手する》、そして《米国とその追随勢力が封鎖を企図する場合、それを戦争行為とみなし、断固軍事的に対応する》、つまり事実上、第三次世界大戦の引き金を引く用意があると北朝鮮は宣言しているのだ。北朝鮮の宣言は、はったりではない〉北朝鮮による命がけの「弱者の恫喝」に各国は怯えています。米国、中国、ロシア、韓国はいずれも及び腰になり、宥和政策をとって問題を軟着陸させようとしています。しかし、それではたして問題が解決するのか? 日本はどうすべきか? 中国、ロシアにまで目配りをする佐藤優の論考はさらに先まで進みます。アジア激変を読む必読の書です。(2013/12/27)
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