父の詫び状

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宴会帰りの父に叩き起こされて夢うつつに土産を食べる福助頭の弟、母に威張り散らす父の声、転校した初日に教室に向かう気持ち、来客の多かった我が家の忙しい正月、温かいおひつの上で泣き泣きやった学校の宿題、おやつに食べた懐かしい“ボールとウエハス”、銀座に出かける日のおめかし、途中までは大成功だった初アルバイト、黒い服ばかり着るので黒ちゃんといわれた若い日々……昭和の「懐かしい家庭」を卓越した記憶で鮮烈にユーモラスに描く、向田邦子の第一エッセイ集。

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宴会帰りの父に叩き起こされて夢うつつに土産を食べる福助頭の弟、母に威張り散らす父の声、転校した初日に教室に向かう気持ち、来客の多かった我が家の忙しい正月、温かいおひつの上で泣き泣きやった学校の宿題、おやつに食べた懐かしい“ボールとウエハス”、銀座に出かける日のおめかし、途中までは大成功だった初アルバイト、黒い服ばかり着るので黒ちゃんといわれた若い日々……昭和の「懐かしい家庭」を卓越した記憶で鮮烈にユーモラスに描く、向田邦子の第一エッセイ集。

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「うちの父は、正当派といえば聞こえはいいが、妙に杓子定規なところがあって、新聞は朝日、たばこは敷島、キャラメルは森永がひいきだった」――向田邦子は64歳で亡くなった父を暖かい眼差しで回想しています。50歳を前にして病を得て、売れっ子の放送作家としての仕事を休み、療養中に引き受けた雑誌連載から生まれたエッセイ集。自身の生い立ちや家族のことが誇張もなく淡々と綴られていくのですが、そこからは昭和という時代を生きた、普通の家族の、今となっては懐かしい有り様が鮮やかに蘇ってきます。表題作「父の詫び状」は、仙台の実家から東京の寄宿先に戻った娘を待っていた父からの封書に至る物語です。娘に直にねぎらいの言葉をかけることができない、明治生まれの父。見送りにきた仙台駅では最後までブスっとした顔をしていた父の手紙には何が書かれていたのか。ここで明かすのはやめておきます。昭和の時代、父と娘との間にあった心暖まるストーリーです。(2009/9/18)
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