書籍の詳細

「美代子阿佐ヶ谷気分」「軍刀」「無頼の面影」「阿佐ヶ谷心中」「ピストル」「川」「静かなピンク」「落下傘」「恋愛」「キス」収録。私は三十二歳の頃に分裂病を発病し、以来、十七年間まともな考え方が出来にくくなった。今回の作品集は、分裂病以前の作品であるが、発芽の模様はすでにある。――私はいつ死ぬか判らないが、漫画も小説も油絵も死ぬまで画く事になるかも知れない。(安部慎一)

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美代子阿佐ヶ谷気分のレビュー一覧

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  • タイトルの「阿佐ヶ谷」とは東京・中央線沿線の駅名。中央線は高円寺や中野などを擁し、ミュージシャン、芸人、サブカル好き等々ある種の志向を持つ人にとってはあこがれの沿線。この作品が発表されたのは40年近く前なので、この作品もそうした「中央線イメージ」の構築には一役かっているかもしれません。内容は、といえば特に何か特筆すべきことあるわけではありません。金は無くとも時間はある自堕落な若者の怠惰な生活、同棲、セックス、そうしたものが、上手いとは言えずとも味のある叙情的な絵で綴られていきます。どこまで行っても何もないような閉塞感、内省的なこの雰囲気は、なかなか出せるものではありません。著者は上記の解説や巻末で自分の病気について告白していますが、それもなるほどと思ってしまいます。ちなみにこの作品は映画化され、現在渋谷の映画館で単館上映中。なんで中央線沿線の渋い映画館じゃないんだ…。 
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    投稿日:2009年07月07日