書籍の詳細

文化・文政から天保期のころ、19世紀前半の江戸は九段に住む清水徳川家の老臣村尾嘉陵が、勤めの合間に近郊の花や寺社をたずねた日帰りハイクの記録。いまは高層ビルと排気ガスにみちた東京の自然と人情が美しい。

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江戸近郊道しるべのレビュー一覧

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  • 筆者は清水徳川家の老臣・村尾嘉陵。江戸城に近い九段に居をかまえ、文化4年(1807年)から天保5年(1835年)にかけて江戸近郊を歩き回って書き残した記録をまとめたのが本書「江戸近郊道しるべ」。西郷隆盛(1828年生)、福沢諭吉(1835年生)、岩崎弥太郎(1935年)らが生まれた19世紀前半の江戸の近郊風景がリアルに描かれていて興味がつきません。江戸城を中心に東西南北、方向別に編集されているのですが、大学を卒業するまで目白近辺で暮らした私はとくにその西郊の章には落合(新宿区上・中・下落合)、恵古田村(中野区江古田)など馴染みの地名が数多く出てきて一気に読みました。一節にこうあります。「椎名町(豊島区南長崎)の入口一豪家あり、慶徳屋と名づく、この地に久しきもの也とて、穀物をあきなふ、この外椎名町商人の家に貧しきはみへず・・・・・・」このあたり、時代小説に出てくることも少なく、はずれもはずれと思っていたのですが、意外にも立派な商家があった様子、目からウロコの思いでした。そんな驚きや感動が随所にあります。本書を入れたiPhone(iPodtouch)を手に東京をめぐる歴史探訪――ゴールデンウィークの街歩きはいかがでしょうか。(2010/4/9)
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    投稿日:2010年04月09日