書籍の詳細

路地を一人歩いていると、いつか来たことがあるような気がしてくる。何にもドラマがおこらない旅だけど、その瞬間、「行く旅」は「帰る旅」にかわってしまうのだ。鄙びた温泉、すがれた港町、下町はつかれた都市生活者をいやしてくれる隠れ里。だから今日も、既視感―デジャ・ヴュ―をさがして感傷小旅行―センチンタル・ジャーニー―に出かけたくなる!

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  • 川本三郎さんが2年前に逝った夫人の川本恵子さんとの暮らしを回想する追想記『いまも、君を想う』(新潮社刊)がちょうど文庫版が同じ新潮社からでたばかりの城山三郎さんの『そうか、もう君はいないのか』と並んでいま話題となっています。二人の三郎さんが愛妻に先立たれた思いを綴った本を出して揃って話題になっている。たまたまの偶然なのか、版元である新潮社のある意図に基づいて実現したことなのかはともかく、その川本三郎さんが旅や街歩きのことを綴った旅行エッセイ『ちょっとそこまで』の電子書籍版が最近、リリースされたのを機会に読んでみました。小旅行あり、温泉巡りあり、遠くブタペストやインド洋に浮かぶニアス島など異邦への旅もあります。どれもいかにも川本三郎さんらしい、気分のおもむくままの、のんびりした旅で、すぐに駆け足になってしまう私にはうらやましいかぎりなのですが、そのどれよりも、らしくて、いいなぁ、今度の夏休みにはやってやろうと思ったのが、川本さんの以下のような趣向の街歩き。川本さんはこう書いています。〈私には妙な趣味があって、散歩の途中、見知らぬ町の見知らぬ銭湯に入ってひと風呂浴びるのが好きだ〉こうした銭湯巡りはなんといっても東京の下町がいちばんだと川本さんはいっています。iPhoneやiPad、Android端末に入れて携行すれば、下町散歩や夏の旅行がいっそう楽しいものとなることうけあいです。(2010/8/6)
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    投稿日:2010年08月06日