書籍の詳細

戦前の東京にあった私娼街・玉の井を舞台に、活発な少年・キヨシの日常を情緒豊かに描いた作者・滝田ゆうの自伝的漫画。友達と路地で遊んでいたキヨシは、歩いてきた馬車の荷台に乗って楽しむ。その時、馬車のおじさんから叱られたキヨシ達は、次々と荷台から飛び降りていく。そして最後に降りたキヨシは、前のめりに転んで、馬車の馬が落とした糞に手を突っ込んでしまい……!?

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寺島町奇譚のレビュー一覧

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  • 東京スカイツリーが出来て、すっかり墨田界隈の新観光名所として定着しました。近未来的なタワーを見ていると、以前この界隈に私娼街があったなんて、にわかには信じられません。着流しに坊主頭の姿で、文化人としてテレビにもよく出ていた滝田ゆうは、現在の東向島で幼少期を過ごしました。当時は寺島町という地名で、この地域に玉の井と呼ばれる私娼街があったのだそうです。『寺島町奇譚』はこの玉の井を舞台に、滝田の幼少の頃を綴った漫画です。昼間は下町然とした界隈を元気よく走り回る主人公・キヨシなのですが、夜の帳が下りると銘酒屋やスタンドバーに出入りする大人の妖しい街へと一変し、東京にもこんな場所があったんだなぁ、と思わず画に魅入ってしまいます。残念ながら、街は跡形もなく大空襲に吹き飛ばされてしまいましたが、この漫画を読んでいると玉の井に暮らし、集った人々の息遣いまでもが感じられます。想像や資料を元には決して描けない、そこに暮らしていた滝田ゆうだからこそ描けた貴重な作品なのです。(2014/2/7)
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    投稿日:2014年02月07日