書籍の詳細

この[世界]には、上・中・下、がある。富めるものの住む[街]。貧しいものの住む[畑]。その下に、深く、暗い[森]――。[畑]でうまい飯を出す高岡飯店。看板娘のキヨコは、母をささえながら店を切り盛りするはたらき者。ある日、店の常連の“裏の仕事の手配師”中田の頼みにより、[森]からやってきたという殺し屋「よるくも」の毎日のメシの面倒をみてやることになった。「よるくも」は[森]に使い捨ての子供として生まれ、感情を持たず、痛覚を持たず、読み書きの知識を持たないままに育ち、中田の指示により殺しの仕事を日々こなす青年。キヨコとよるくもが出会うことにより、[世界]は少しずつ壊れはじめる――圧倒的に鋭利な新才能が描く、愛と暴力の悲劇、開幕!!

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    この世はの呼び名は「世界」。金持ちの住む「街」、貧乏人の住む「畑」、そして、最底辺の民の住む「森」から成る。「森」に生まれ育った命使い捨ての子供は“よるくも”と呼ばれる必殺の殺し屋に育った。しかし、その殺し屋は、読み書き算術ができず、感情の乏しい、おとなしい男。「畑」の飯屋の娘キヨコは自分の作った飯を一途に食うよるくもに惹かれ始める…。貧富の差、身分の違い、人間の本性がむき出しにされブーストされる状況で、人が人を恨み、殺し、愛しきる様が叩きつけるように描かれます。しかし、作者は、欠落を持った愛同士のぶつかり合いの果てにあるはずの、本物の救済を信じて描き続けています。その救済をどうしても、読者のみなさんに体験して欲しいのです。
    投稿日:2013年07月26日