書籍の詳細

経営トップの公私混同、粉飾決算、モラルすら忘れた儲け主義。あげくに平気で嘘をつく社長たち。一流企業に次々と表面化する、この恐るべき体質は、どのように醸(かも)し出されてきたのか。戦後から現在まで、日本企業が犯した多種多様な企業事件を題材に、会社大国の深い闇を照射する。(『戦後企業事件史』改題)

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社長のモラル 日本企業の罪と罰のレビュー一覧

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  • 佐高信といえば、歯に衣着せぬ企業批判で知られる評論家。松下幸之助に対しては世襲を理由に低い評価を、逆に本田宗一郎に対しては同じ観点から高評価を与えるという姿勢が基本にあります。本書で佐高信はそうした考えに基づいて、戦後日本の企業事件を素材に「経営者」の有り様を問い直しています。古くは終戦から間もない1948年におきた大疑獄事件「昭和電工事件」、1970年の「富士銀行19億円不正融資事件」から、バブル期に住友銀行・磯田会長が絡んだイトマン事件(1991年)やリクルート事件、長銀事件までを概観して、佐高信はため息混じりに「一流企業の経営トップともあろうものが……」とは決して言いません。「日本の一流企業の社長だからこその問題」だと言い切ります。日本の社長はお粗末なのが普通で、まともなのが例外なのだと強調するのが、佐高流です。数少ない、まともな例として佐高信が紹介している社長がいます。役員会で自分に反対の意見が出なくなった時に、危険な兆候だとして社長を辞めたという住友金属鉱山の藤崎章社長で、次のような発言をしています。〈社長を永くやると、当たり前ですが、まず年をとる。年をとればボケてきます。(中略)社長業を永い間楽しんでやる人がいるとすれば、それは働いていない証拠です。そんな人の率いる会社が左前になっても不思議はありません〉佐高信は自身の取材の他、高杉良や城山三郎の経済小説・企業小説に例をとりながら本書をまとめています。同じ講談社電子文庫の「濁流」(上・下、高杉良著)を併せてお読み下さい。(2010/8/20)
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    投稿日:2010年08月20日