書籍の詳細

警視庁に新設された広域捜査専任特別調査室、通称「SRO」。総勢7名の小所帯にもかかわらず5人がキャリアという、管轄の枠を越えた花形部署のはずが、その内実は訳ありだった。山梨で発見された白骨死体をきっかけに、史上最凶の連続殺人犯「ドクター」を追う調査員たち。警察組織の限界に迫る、新時代警察小説の登場。

総合評価
4.0 レビュー総数:1件
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SROのレビュー一覧

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  • 黒い羊の仮説
    世間的に立派な家庭からある確率で生まれてくる凶悪犯罪者(黒い羊)。
    黒い羊になるには家庭環境といった後天的な要素に加え、遺伝という先天的な要素も
    重要だとする仮説。
    発端はペンションで働く青年の失踪である。彼は少年期に自分の家族を皆殺しにする事件を起こして世間を騒がせた。特殊な人物の失踪ということで広域捜査専門のSROに捜索要請が為された。立派な家庭に咲いてしまった徒花のような青年をSRO室長の山根は黒い羊に例える。
    黒い羊の話を聞いたSROメンバーの針谷は自分も黒い羊なのではないかと思い悩む。幼い頃より優等生の兄と比較され家族の中で浮いた存在の自分。犯人射殺経験があり、そのことで家族に迷惑をかけ足を引っ張っている自分。針谷家に流れる血脈の負の因子が自分のなかで発現してしまったのではないかという不安。
    犯人は次々に殺人を犯し殺した人物に成りすましながら本懐を遂げようとする。犯人がただのシリアルキラーではなく、犯人なりの根源的なテーマに根ざした心理や動機があり、それを的確に見抜いたのは針谷だった。
    シリーズ4作目となる本作は主人公格として針谷に焦点が当てられていて、彼の存在なしに事件の本質に辿り着くことは不可能だった。そして新たな業を背負うことになる針谷に救いの日が来るのか今後気になるところだ。
    SROの宿敵であるモンスター型シリアルキラー近藤房子のエピソードも添えられており、再び彼女との対決も近いと予感させるものになっている。
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    投稿日:2016年02月21日