書籍の詳細

「俺はマンガ家になる」と、40歳で会社を辞め、夢を追いかける生活に入った男・大黒シズオ。父親からは顔を見るたびに説教され、幼なじみからは本気で心配され、17歳の娘に温かく見守られながら、マンガ執筆とバイトとサッカーゲームの日々。そんなある日、バイト先のハンバーガー屋にちょっとした問題児が入って…。齢41歳、子持ちにして、突然漫画家を目指し始めた大黒シズオ。こんなおっさんアリですか、ナシですか?とりあえず、こんなおっさんにも人生はアリ、ます。

まだユーザーレビューはありません。最初のレビューを書いてみませんか?

俺はまだ本気出してないだけのレビュー一覧

絞込み条件
  • レビュアー絞込み
表示形式
  • 表示件数
  • 表示順
  • 一時、「自分探し」という言葉が流行りました。これは、ある程度ゆとりというか余裕がないとできないので、人生のモラトリアムにある人たちが口にしていたような気がします。『俺はまだ本気出してないだけ』(青野春秋)は、不惑の40歳にして会社に辞表を出し、自分を探し始めた大黒シズオの話。で、「俺の生き方」を見つけて、宣言します「俺 マンガ家になるわ」。高校生の娘と年老いた父親がいるのに…、絵心があるわけでもないのに…、描きたいことが泉のように湧き出るわけでもないのに…楽天的にマンガ家になろうとします。作品は認められず、マンガ家というゴールを目指しているはずなのに、描くほどにゴールから遠くに離れていくようです。挙句の果てには、なんでマンガ家になることに執着するかを訊ねられて、脳裏に「…なんでだ?」の文字が浮かび上がってしまいます。「残念な感じ」なんてはるかに超越して、徹底的にダメ路線まっしぐらにまい進していきます。痛々しく感じるくらいのダメさ加減です。でも、不思議に惹きつけられるキャラなんですね。大黒シズオ。それは、時々自分自身の生き方に対して反省交じりに逡巡するからではなく、人を食ったようなとぼけたセリフばかり口にしているからでもないような気がします。では、一体なぜ? それは、同世代のオッサンが真似したくても、絶対にできない生き方だから、ついつい成り行きを見届けたくなってしまうのかもしれません。 (2012/2/21)
    • 参考になった 0
    投稿日:2012年02月21日