書籍の詳細

中学卒業を迎えた少年・ミツは、地球の35,000メートル上空で周囲をめぐる、上層・中層・下層からなる巨大な建造物・リングシステムで産まれ育った。卒業と同時に亡き父と同じ職業「リングシステムの窓を拭く仕事」に就いたミツは、父の死に対する疑念を抱きながら、超ベテランのパートナー・仁とコンビを組むことに…。

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土星マンションのレビュー一覧

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  • もうすぐ、空気が澄んで星の輝きが美しい季節がやってきます。もし、天体望遠鏡があったなら、オリオン座の星雲や土星のリングを眺めたいですね。『土星マンション』(岩岡ヒサエ)で描かれているのは、地上35、000mで地球をリング状に取り巻く人々の住む建造物が舞台です。人々はそのリング状に作られた人工の都市で一生を終えます。それは、「地球全体が自然保護区となり、降りることが許されなくなったから」なのです。主人公のミツは学校卒業と同時に職に就きますが、その職業はリングの外壁に当たる透明な窓をふくこと。物語は同じ職業であった父親が窓拭き作業中に死んだ“事故”の状況を探ることも軸のひとつとして進みます。面白いと思ったのは、窓拭き作業中に好奇心旺盛にミツが目にする、窓の向こうに暮らす人々の生活です。そこには、遠い未来の高度文明社会でありながら、人々が生々しい感情を持ちながら生きている光景がありました。地球に住めなくなっても、人は人らしい感情を持って生き続ける、ファンタジックな物語です。(2011/11/1)
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    投稿日:2011年11月01日