書籍の詳細

ジャンケンで決めるという奇抜な発想で、企業の首切りを痛烈に諷刺した「ジャンケンポン協定」(新日本文学賞)、ダム建設に反対し一人で国家権力と闘った男がモデルの実録的小説「大将とわたし」、著者の沖縄生活が生んだ基地の街の男女の生態を描く「シャワー・ルーム」等、作家の軌跡の節々の作品に、犯罪を主題に現代の若者の精神の崩れを衝く「供述調書」を加えた代表作5篇。

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供述調書 佐木隆三作品集のレビュー一覧

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  • 佐木隆三さん自身の手による年譜が巻末にあって、それが興味深いものとなっています。朝鮮半島で生を受け、北九州で小説を書き始めて、本土復帰前の沖縄で暮らし、東京に戻って「復讐するは我にあり」を書き上げて直木賞を受賞。そして1999年に北九州へ戻った作家が「初心」に立ち返ってつくった作品集が本書。その軌跡のところどころに、かつて編集者として関わった作品が顔を覗かせていて感慨深いものがあります。個人的な想いはともかく、電子書籍化された本書で再読した「ジャンケンポン協定」は、1960年安保時当時の日本共産党の有り様を戯画化した小説ですが、その風刺の視点は今日にもそのまま通じるものでけっして古くなってはいません。ルポルタージュ風の作品が多くなる前の、佐木隆三さんの原形を色濃く感じさせてくれる、私の好きな佐木作品の一つです。(2010/2/19)
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    投稿日:2010年02月19日