裂けた旅券 (5)

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ICPO(国際刑事警察機構)に着任した中村警部。過激派の日本赤師団を追っているのだが、フランスに潜伏していた川島の娘が誘拐され、豪介に協力を依頼してきた。川島はタンクKの異名を持つ総合商社の重役で、日本の次期首相候補の汚職に絡んでいる。だがパリ警察は、テロ組織に身代金が渡るのを嫌い、川島に国外退去を命じた。川島がパリにいなかったことにして、誘拐事件は闇に葬ってしまう気である。中村と豪介が、川島の娘を救出しようと動くが…。

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ICPO(国際刑事警察機構)に着任した中村警部。過激派の日本赤師団を追っているのだが、フランスに潜伏していた川島の娘が誘拐され、豪介に協力を依頼してきた。川島はタンクKの異名を持つ総合商社の重役で、日本の次期首相候補の汚職に絡んでいる。だがパリ警察は、テロ組織に身代金が渡るのを嫌い、川島に国外退去を命じた。川島がパリにいなかったことにして、誘拐事件は闇に葬ってしまう気である。中村と豪介が、川島の娘を救出しようと動くが…。

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書店員のレビュー

火曜サスペンスのようなタイトルに昭和フレーバーを感じさせる表紙。30年近く昔の作品ということでちょっととっつきにくい印象もあるのではと思うかもしれませんが、これはわりと気楽に読み進められる作品です。
フランス在住15年、無職の中年男、羅生豪介の場当たり的な海外生活ぶりというのが前半の主なテーマ。この路線の短編で話が続いていくのかな、と思い読み進めていたのですが、2巻の終わり、ヒロインの登場により「年の差国際恋愛」という要素を得て物語は一気に進展。このヒロイン、マレッタという女の子がまたとても魅力的に描かれており、枯れおやじ風な豪介との対比はとてもいいバランスです。30半ばまで無職の無頼外人であった豪介も物語の中盤にはついに定職を得て、KGBやら中東戦争やら陰謀に巻き込まれながらも国際結婚について真剣に考えたり。
しかしこの作品に感心してしまうところは、当時のヨーロッパと日本の社会情勢や人間性の相違点・共通点がとても自然に描かれているところ。これが70年代の日本人の国際感覚だとしたら当時のほうがよほどグローバルなんじゃないかと思ってしまいます。30半ばのおっさんと16歳のパリジェンヌの恋・・・なんともうらやましい話です。
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