『別冊太陽 国芳の春画』は、今注目の奇想の浮世絵師・歌川国芳(1797-1861)の春画・艶本の全貌を伝えるはじめての画集です。国芳春画の代表作はもちろん、本書の編集中に発見された作品や未発表作品も収録した画期的大全といえる一冊です。

 本書を刊行する前段階として、同じ別冊太陽シリーズで『春画』『続春画』『肉筆春画』という三部作を刊行しております。最初に『春画』を刊行したのは2006年のことでした。

 じつはこのときは、会社からはまるで期待されておらず、私が以前からやってみたかった企画をさりげなく出した、という感じでした。どうして「春画」の本を作りたかったかというと、もともと江戸風俗研究家でも知られる漫画家・杉浦日向子さんの作品が好きで、描かれている江戸の風俗の自由な空気感や粋な色恋に憧れがあったことが下地にあります。

 また、江戸の浮世絵師のほとんどが春画を描いていたのに、その事実がほとんど黙殺され、一般的には題名も何もわからない状態というのが不思議でした。日本人として、自分の国の文化に目隠ししたままでよいのかという疑問があったのです。

 そこで春画研究の第一人者である白倉敬彦先生に、「別冊太陽で春画特集をやりたいのですが」とお願いしたところ、すぐに私の意図をご諒解いただきました。白倉先生は、春画はポルノではなく、江戸の人々にとっては笑い絵として愉しむものであったと説かれ、「春画を語らずして浮世絵史は成立しない」と断言されています。

 上野千鶴子先生も春画のファンで、本の帯に「春画のタブーが解かれるのはうれしい。日本が誇る世界遺産なのだから」というキャッチコピーもいただきました。

 本の広告が出た翌日、会社の始業時間と同時に営業部の電話が鳴り響き、その反響の大きさに驚かされました。ありがたかったのは、都内の大書店に集中しているのではなく、全国のさまざまな書店で軒並み売れていて、読者層も幅広かったことです。面白いところでは、成田空港の書店でお土産用にかなり売れていました。これで、もはや「春画」はタブーではないということが証明されたのではないかと思います。来年(2013年)10月には大英博物館で「大春画展」も開催されます。

 今回、満を持して新刊の『国芳の春画』が電子書籍となります。国芳の春画ですから、突拍子もなく面白いものがあります。「華古与見(はなごよみ)」(本書94~101ページ)という作品などは、江戸の華といわれる火事の最中に、お重のお弁当を食べながら事に及んでいます。また別の作品(本書134~135ページ)では台所でお米を研ぎながらとか……。お馴染みの「国芳の猫」も場面にいいキャラで登場しています。また次の機会では、他の「春画」シリーズも電子書籍化していきたいと思います。

別冊太陽 国芳の春画

白倉敬彦=編

平凡社

ジャンル:趣味・実用

2600円 (税別)

26ポイント獲得(1%)

eBookJapan発売日:2012年12月21日

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