書籍の詳細

甘く切なく擬(もど)かしい、ふたりの長い夏の前日。――日吉ヶ丘(ひよしがおか)芸術大学4年生・青木哲生(あおき・てつお)。月下(げっか)画廊店長で、和服が似合う大人の女性・藍沢晶(あいざわ・あきら)。突き動かされるように体を繋げた一夜から、激しくも拙い恋愛が始まる――。

総合評価
5.0 レビュー総数:1件
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夏の前日のレビュー一覧

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    切なくほろ苦い恋の物語
    芸大生の哲生と画廊に勤める年上の美女晶の恋の物語。

    心に残る絵画や風景のような作品を読みたい方にはぜひおすすめする。

    この作品には哲生のふたつの恋が描かれている。
    身近で自分を支えてくれる魅力的で愛すべき女性(晶)への恋と、言葉を交わしたこともないのにどうしようもなく心惹かれる女性(華海)への恋。
    どちらも本物の恋心で、哲生にとっては大切なもの。
    この物語の成り行きは哲生がまだ未熟な青年だからこうなっているのかと思う。
    でも、未熟なあの哲夫生でなければ晶は恋をしなかったようにも思う。
    ひとときを過ぎてしまうと二度と生まれることのない想い。
    哲生と晶が過ごす幸せな時間が心に染みる。
    特に哲生が時折見せる表情に描かれている晶への想い、その想いに哲生自身が気づいていないのが歯がゆく感じられる。
    終盤華海への想いを強く自覚した哲生だが、彼の中に染み込んでいた晶への想いに気づいたのはもっと後のことになる。
    どちらも間違いなく彼にとっては本当の恋だった。

    読後いつまでも心に余韻を残す宝石のような作品。
    • 参考になった 7
    投稿日:2015年11月26日