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節目節目に東京を撮ってきた、東京生まれ、東京育ちの荒木経惟。その彼が1992年夏から、まる一年をかけて、東京の4つの街を撮影した。夏の新宿、秋の池袋、冬の六本木、そして春の浅草である。日本人にはなれなくても、東京人にはなっている出稼ぎの外国人女性たちを中心に、無名の人々、無名の風景が撮られている。しかし、そこにあるのは、紛れもない世紀末の東京の姿だった。

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東京風のレビュー一覧

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  • 三ノ輪生まれということもあってか、荒木経惟氏は東京の街並をよく撮影しているように思います。この『東京風』に収められているのは新宿、池袋、六本木、浅草の街と外国人労働者を中心とした人々の日常です。撮影されたのは1992年。繁華街の風景は今よりももっと猥雑で混沌とした印象を受けます。石原慎太郎さんが「ゲロのような街」と表現した東京の街もこの20年で少しは洗練されたのだな、と感じます。そんな猥雑な世界にあって、そこに写る人々の表情にはどこか間が抜けていて微笑ましい印象をうけるのは、荒木さんの力でしょうか。好景気のなせる業なのでしょうか。ここに笑顔で写っている人たちは今何をしているのだろう。故郷へ帰ったのだろうか。どこかでこの時代の生活を懐かしんだりしているのだろうか。「東京」のアウトサイダーであり、一方で当時の「東京」を象徴するような存在だった外国人労働者たちの日常の姿を見ていると、ついそんな想像をしてしまいます。(2013/1/4)
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    投稿日:2013年01月04日