書籍の詳細

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。解説:柴田元幸

総合評価
5.0 レビュー総数:1件
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わたしを離さないでのレビュー一覧

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  • ノーベル文学賞受賞おめでとうございます その二
    この作品の凄さは実際に読んで感じていただきたいので、まめちしき 的なことを書いておきます。
    著者のカズオ=イシグロ氏は、長崎でお生まれになり五歳まで生活された後、渡英されてそのままイギリス国籍を取得されたというのは報道の通りなわけですが。お父様は海洋生物学者さんなのですね。そして奥様はアイルランドの方です。
    日本でも蜷川幸雄氏による舞台化や、TBSでリメイクしたドラマも放送されましたが、映画版も素晴らしいです。三人を演じた俳優の皆が本当に素晴らしいです。アンドリュー=ガーフィールド氏のスパイダーマンを観た後にこの作品を観て、最初は彼だとすぐに気付かなかったくらい凄い演技でした。
    作品内容を表現しようと果敢に試みてみるならば、尊厳死や、人間による食物連鎖、世界の成り立ち などについて哲学的に非常に深く考えさせられます。かなり重い読後感ですので、ある意味少々人を選ぶかも知れません。登場人物たちの運命や選択はもちろんのこと、個人的に子どもたちの絵のエピソードが切なかったです。
    軽薄な言い方にはなってしまいますが、読了時には、ハンカチとティッシュを傍に置いておきましょう。この作品には心にパワーがあるときに、後で浮上できる余裕があるときに、じっくりと向かい合うことをおすすめします。
    これだけ揺り動かされた作品は、強いて他にあげるなら、私の場合は長編小説の方の「アルジャーノンに花束を」です。
    • 参考になった 4
    投稿日:2017年10月05日