書籍の詳細

明治10年の西南戦争は、明治政府内の主導権争いに結着をつける最後の真剣な闘いだった。一方の雄、西郷隆盛の悲劇的な死は、内外の人びとに強い感銘を与えた。当時在日したイギリス公使館員の記録。

まだユーザーレビューはありません。最初のレビューを書いてみませんか?

薩摩反乱記のレビュー一覧

絞込み条件
  • レビュアー絞込み
表示形式
  • 表示件数
  • 表示順
  • 薩長同盟から大政奉還への歴史のうねりのなかで西郷隆盛が果たした役割とその存在感。そして最後は反乱軍のリーダーとして悲劇的な死に至るという波乱に富んだ人生。いまなお日本人の間で「東洋の偉大な英雄」という評価を得ている西郷隆盛と彼がすべてを捨てて起こした「西南戦争」はイギリスの外交官の目にはどのように映っていたのか。西南戦争当時、イギリス公使館書記官として東京に駐在していたA.マウンジーが最も信頼すべき筋からの記録類や口述による情報――反乱の鎮定に実際にたずさわり活躍した日本人からの情報を多く含む――に基づいてまとめたのが本書「薩摩反乱記」です。マウンジーはこの反乱の原因が1968年の王政復古、すなわち明治維新にさかのぼるとして、その概容を説明するところから綴り始めています。明治維新から10年たった1877年、ともに薩摩出身であり、維新の主役となった西郷隆盛と大久保利通は袂をわかちます。攻める征討軍60、838人に対し、薩軍は30、000余。西郷の死をもって7か月に及んだ反乱は終わりますが、マウンジーのみるところ、西南戦争とは封建制度をいくらかでも復活させようとする最後の真剣な試みであった。「西郷隆盛による反乱の物語」は日本の年代記の中でも注目すべき1章をなすものであり、日本の歴史に一時期を画すものとなるように思われると、マウンジーは西南戦争の重要性を強調しています。英雄・西郷隆盛の光と影を追ったイギリス人外交官の労作です。(2010/9/10)
    • 参考になった 2
    投稿日:2010年09月10日