書籍の詳細

死刑制度の問題点を描ききった『モリのアサガオ』で、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した郷田マモラが次に選んだテーマは、いよいよ今年2009年からスタートする≪裁判員制度≫。フリーターの相羽圭一が裁判員に選出され、4日間に及ぶ審理の果てに出した判決は?「漫画アクション」連載時、どんでん返しにつぐどんでん返しが大きな話題を読んだ本作は、気になる裁判員制度のことが詳細にわかるだけでなく、ミステリーとしても極上の作品になっています!

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サマヨイザクラのレビュー一覧

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  • 裁判員制度がスタートして、半年が経ちました。裁判のたびに、ニュースでもよく報じられています。判決によっては、「えっ?」とたくさんの疑問符が頭の中を渦巻くこともあるのではないでしょうか。裁判員に選ばれた方の感想をニュースで聞くと、なかなか大変らしいです。裁判員制度ってなんだろう…。『サマヨイザクラ』はサブタイトルにもあるように、裁判員制度の光と闇をあぶり出した作品です。確率からいうと、裁判員にはなかなか選ばれないでしょうし、守秘義務もあって詳細な体験談は聞けません。この作品は、一人ひとりの裁判員の考え方や判決に至るまでの過程が丁寧に描かれ、リアリティが迫ってきます。この紹介の仕方だと、まるでこの制度の広報になってしまいますが、本質的な面白さは人間の持つ「悪」が何であるかを描いていることではないかと思います。ストーリーでは、どんでん返しが用意されていて、読了間際には、実は一級のミステリーかサスペンス作品を堪能していたのだと気づかされるはずです。それにしても、裁判員制度に選ばれたら、いろんなことを深く考えさせられるのでしょうね。(2010.11.7)
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    投稿日:2010年11月23日
  • このコーナーに新機軸を…、と思いましてひとつ考えてみました。題して「ご当地漫画家列島」。ある土地出身の漫画家とその作品を紹介しようかと思います。その1は私の実家近く、三重県伊勢市から郷田マモラ、作品は「サマヨイザクラ」。裁判員制度導入が話題になったころ、それを題材に扱っていたために興味をもった作品です。まずは、まだ制度としてスタートする前に漫画でシミュレーションするという試みに、相当下調べをしたのだろうなと感心。そして読み進めて感嘆したのが、決して多いとはいえないページ数で、よくこれだけ多くの登場人物の人間模様を入れ込んだものだ、ということ。簡単な絵にも関わらず、性格がにじみ出てくる人物描写が巧いですね。人任せの男や苦悩する弁護士、悪辣な隣人、揺れまくる主人公と強い意志を持ったヒロイン…、市民が参加する裁判の裏側で絡み合う人々の様々な思惑がよくわかる密度の濃い内容です。伊勢出身ということに気付いたのは作中に登場する地獄図の説明コラムを見たからですが、この地獄図もイメージとして世界観によくマッチしていると思います。
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    投稿日:2010年07月09日