書籍の詳細

一枚の和紙に、髪にゆれるかんざしに、秘められた血のにじむような想い顔で笑って、心で泣いて・・・・・・男も女も一人前の職人に育(な)っていく。市井を生きる名もなき職人たちのキラリと光る生きようを見つめる作者のやさしいまなざしが心に染みる。江戸を舞台にくりひろげられる珠玉の作品集!!

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職人尽百景のレビュー一覧

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  • 先日(2011.3.7)、村野守美先生が亡くなりました。少年誌と青年誌をフィールドとする村野先生ですが、多数のアニメーション制作の現場でも活躍されていました。何度か村野先生のお仕事にお邪魔したことがありますが、柔和な笑顔を絶やさないそのお人柄が素敵な方でした。『職人尽百景』は、村野先生の代表作の一つ。読み切り短編の中で登場する主人公達は、庭師や大工・染物その他、江戸文化の市井の職人たちで、自分の腕に誇りを持つ者ばかり。技は一流なのに世間から認められない職人がいれば、慢心してうっかりと進むべき道を誤りそうな職人もいます。どのお話にも、江戸の職人と周囲の人間たちとの心の機微が細やかに描かれていて、それは現代に通ずる物語ばかりで、心動かされます。そして共通するのは、どの職人も自分の作ったものが他人に喜んでもらえた時こそ、職人冥利に尽きる瞬間のようです。ひょっとしたら、村野先生ご自身を投影されていたのかもしれません。先生の作品を読みながら、ご冥福をお祈りしたいと思います。(2011.3.22)
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    投稿日:2011年03月22日