書籍の詳細

映画作りを通して真理との距離を縮めていく一方、おじ・金春(こんぱる)の差し金で、いやおうなく大人達の欲望の渦にひきずりこまれていく利彦(としひこ)。そして、晴れの舞台になるはずであった文化祭――映画上映の場で、想像を絶する破局(カタストロフィ)が訪れる……!!魂に焼きつく永遠の青春!'90年代を代表する爆弾作品、ここに完結――。

まだユーザーレビューはありません。最初のレビューを書いてみませんか?

さくらの唄のレビュー一覧

絞込み条件
  • レビュアー絞込み
表示形式
  • 表示件数
  • 表示順
  • 高校を舞台にして描かれるものといえば、学内のヒエラルキー、家族との関係、恋愛、そして性。いつの時代も高校生の問題や悩みなんてそうそう変わるものではなく、誰もがそうした作品に自分の青春を重ねてノスタルジーに浸ったりするのではないでしょうか。しかし! この作品はそんな安易な共感を許しません! 青春が美しいなどと誰が決めた? と言わんばかりのその内容は、例えるならば闇の中で汚泥に足を奪われて沈んでいくような、重く、暗く、汚れたもの。序盤こそどこにでもいる男子高校生の平穏な日常の話なのですが、ある出来事が起きてからは物語が急転直下。平凡な高校生のささやかな毎日、そして「心」が、汚れた大人たちによってこれでもかと蹂躙され、文字通りの“破滅”へ向かって突き進んでいきます。あまりにも救いの無い展開と描写には、戦慄と、そしてやり場のない怒りを覚えます。読後はとてもモヤモヤした気分になるのですが、それでも確実に心に何かを残す作品です。
    • 参考になった 1
    投稿日:2009年09月01日