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アメリカ人が初めて「日本人」を見ることになった「ブロードウエイの行列」をめぐるエピソードから司馬遼太郎は「明治国家」を語り始めています。万延元年(1860年)春のことで、それを目撃した詩人のホイットマンは「ブロードウエイの行列」と題した詩を書き、3人の遣米使節の印象を「超然」という言葉であらわしたそうです。未知の民族について、異文化とはいえ、大変上質なものを感じさせた、かれらの挙措動作、品のよさ、毅然とした姿はどこでつくられたのか――司馬の見立ては、江戸の山ノ手の門地の高い旗本屋敷です。こうした上品で凛々しい人間たちこそが「明治国家の父」となっていったとする司馬遼太郎の、現代社会への痛切な思いが、わかりやすい語り口調で綴られ、今時の政治の不毛を、経済界の、官界の有り様を見るにつけ、その元凶がなにか、明快に示されているように思います。(2009/6/19)
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