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いまからおおよそ320年ほど前、元禄時代(1690年・元禄3年)の職業事典。ページの上半分が解説、下半分が絵にあてられた、さしずめ図典。挿絵は西鶴の浮世草子の挿絵も描いたことで有名な蒔絵師源三郎。書の冒頭に「上貴き公卿より庶人の賤きにいたるまでの、其の所作を詳しく家々に尋ねて、来由をただし、或いは唐大和の書にあるを考え集め」とあるように、この時代の京都のありとあらゆる職業が具体的に説明されています。「御腰元」と並んで「御左進」とあるので、どんな仕事かと解説を読んでみると、これが天皇に仕える職業――「天皇が厠に行くとき、従う下級の女蔵人。諸大夫の娘、坊官の娘、四位の娘が奉仕した」とあります。庶民生活に関わる職業についてはさらに多彩というか、いまでいうと電話帳とか、困ったときにはこれを見ればどこに行けばいいかがわかるという便利本だったのではないか、と思えるほどです。八百屋や魚屋といった一般的なものはもちろん、小鳥や、砥屋、竹屋、絵師、筆師、縫物師、眉作、洗濁などなどがその住所(通り名)付きで説明されています。挿絵とあいまって、今見ていると、元禄時代の生活風景が浮かんできます。(2010/1/8)
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