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死体は語る
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書籍詳細


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本作は、大ベストセラーとなったパトリシア・コーンウェルの「検屍官」に先駆け、日本の小説・映画・ドラマにおいて「法医学モノ」のジャンルを切り拓いくことになった1作である。この作品が出るまで、監察医の仕事について知っていた人は皆無に近かったに違いない。かく言う私も、本作で監察医制度について知った一人である。何より面白いのは、続く作品がフィクションであるのに比べ、本作は実際に長く監察医を務めておられた上野博士が、ご自身の体験をもとに書かれたノンフィクションだと言うところだ。博士が実際に立ち会った事故の話、解剖所見の矛盾点が暴きだす本当の死因の話、日本の監察医制度の問題点など、事件の現場に立ち会われて来た人間ならではの世界を垣間見ることができる。 上野博士は作中で、監察医について「言葉に出来ない死者の声を汲み取る仕事」であると説明されている。その姿勢が、この衝撃的なタイトルに結びついているのだ。彼らがどのように死者と向き合い、死者の声に耳を傾けてくれているのか。自らにも来るべき「その日」の為に、読んでおいて損はない一作だ。

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