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終戦から65年目の夏に読む「戦争」

■戦争漫画傑作選
作者自身の被爆体験をもとに描かれた不朽の戦争漫画
 
『はだしのゲン』
中沢啓治

食糧も何もかもが不足していた戦時中、中岡元少年は両親と四人のきょうだいたちと暮らしていた。平和を強く訴え、それを疎ましく思う町内会長たちに嫌がらせをされても「非国民」と呼ばれても決して屈しない父を元は尊敬していた。時は昭和二十年、日本最後の砦、沖縄はまさに血の海と化していた。死の影は刻々と元たちの住む広島にも近づいていた。
水木しげるが見た「昭和」とは
 
『昭和史』
水木しげる

大正11年3月8日、水木しげるが生まれる。事実上の昭和史は、大正12年の関東大震災から始まった。マグニチュード7.9。震源地に近い神奈川県はもとより、東京も壊滅的な打撃を受けた。この関東大震災が昭和が始まって3ヶ月後の金融恐慌の原因となった。昭和とはどのような時代だったのか。昭和という時代を生き抜いた水木しげるが庶民の目で描ききるコミック昭和史!!
二つの国家に翻弄される青年の物語
 
『虹色のトロツキー』
安彦良和

幼い頃に記憶と家族を失った日蒙二世の青年・ウムボルトは、赤化運動の折、憲兵に捕まり拷問を受ける。しかし、関東軍参謀・辻政信によって釈放され、日本軍統治下の満州に建てられた建国大学に入学する事になった。そこで、ロシア赤軍を創ったトロツキーが父の知り合いであること、自分はトロツキーを招き入れる為に軍上層部の思惑によって学校に入れられた事を知らされる。旧満州を舞台に日本軍の政治的陰謀に巻き込まれながらも、強く生き抜く青年の物語が今はじまる。
多民族国家ユーゴスラビアの悲劇
 
『石の花』
坂口尚

第二次世界大戦下のユーゴスラビア。ドイツ軍とパルチザンの激しい戦闘は、否応なしに人々を戦火に巻き込んでいた。国とは、民族とは、人間とは!? 理想と現実、愛と憎しみを鮮やかに浮かび上がらせた戦争巨編!! きな臭い話が聞こえながらも、学校に通いながら平穏な日々を過ごしていたクリロとフィー。しかし、ある日ドイツ軍が村へと侵攻し、それまでの生活が一変する。村を焼き払われたクリロとフィーは、それぞれゲリラ組織と強制収容所へ。はたして二人の運命は……。
決死の覚悟で空へ飛び立った若き兵士たち
 
『戦空の魂』
天沼俊

あの大きな空に憧れて、飛行機乗りになる夢を抱いた少年達。しかし夢を叶えた彼らの前には、“太平洋戦争”によって死と隣り合わせの戦いの場となった空が広がっていた――。戦時に活躍した名戦闘機「紫電」「桜花」「紫電改」「雷電」「彩雲」「月光」。そのパイロットとなって、空に命をかけた勇敢な若者達を描くオムニバス・ストーリー第1弾! 知られざる戦争の一面がここに!!
沖縄の風が語る「真実」とは
 
『カジムヌガタイ −風が語る沖縄戦−』
比嘉慂

外に敵。内にも敵。過酷な戦火の中、揺れ動く沖縄住民たち。宿命として、その時代その場所に生きる事しか出来なかった人々の悲劇――。
受け入れがたき戦争の真実を描く、読み切り6編を収録!
ひとりの少女の目を通して描く「戦争」
 
『夕凪の街 桜の国』
こうの史代

昭和30年、灼熱の閃光が放たれた時から10年。ヒロシマを舞台に、一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。最もか弱き者たちにとって、戦争とは何だったのか……、原爆とは何だったのか……。
漫画アクション掲載時に大反響を呼んだ気鋭、こうの史代が描く渾身の問題作。
喜びも、悲しみも──戦中の日常とは
 
『この世界の片隅に』
こうの史代

平成の名作・ロングセラー『夕凪の街 桜の国』の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。
主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく…。
「沖縄」を独り生き抜いた少女が見たものは
 
『白旗の少女』
漫画:みやうち沙矢 原作:比嘉富子

太平洋戦争末期、1945年(昭和20年)4月。アメリカ軍の上陸により、日本における唯一の地上戦である沖縄戦が始まった。20万人以上の戦死者を出した戦場で、姉たちとはぐれてしまった7歳の富子(とみこ)。たったひとりで激戦のなかを生き抜いた少女がみた“戦争”とは――? 
――「今から60年ほど前。地上の楽園・沖縄は、地獄の戦場でした。」生きること・生命の意味を問う戦争秘話を完全漫画化!!
生と死の狭間で苦悩する少年飛行兵の青春
 
『紫電改のタカ』
ちば てつや

第二次大戦末期の昭和19年夏、台湾南部にある高雄基地、名機「紫電」で編成された七〇一飛行隊に、少年飛行兵・滝城太郎がやってきた。訓練ばかりが続いていた七〇一飛行隊だったが、滝が入って早々実戦の機会が訪れる。勝手に編隊を離れ、単独行動をとった滝は大目玉をくらうが、仲間達には受け入れられる。ある時、フィリピンのマルコット米軍基地を七〇一飛行隊だけで襲撃せよという緊急指令が入って… 戦争とは何か? 何のために戦うのか? 生と死の狭間で苦悩する少年飛行兵の青春!!
■戦争文学傑作選
自らの命を兵器とし海に散っていった若者たちを描く
 
『出口のない海』
横山秀夫

人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第二次世界大戦の終戦前に展開されていた。ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手・並木浩二は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。命の重みとは、青春の哀しみとは――。ベストセラー作家が描く戦争青春小説。
コミック版はこちら
一人の中国残留孤児の生涯を描いた傑作大河小説
 
『大地の子』
山崎豊子

松本勝男は、敗戦直後に祖父と母を喪い、妹と生き別れた。戦争孤児となった少年は、死線をさまよう苦難を経て、中国人教師に拾われ、中国人「陸一心」として育てられる。しかし、成人した一心を文化大革命の波が襲う。日本人の出自ゆえにリンチを受け、スパイの罪状で労働改造所送りに。終わりのない単調な重労働に明け暮れる日々、一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった。NHKでドラマ化された山崎豊子の感動巨編。
戦艦大和の孤独な闘いの全貌
 
『鎮魂戦艦大和』
吉田満

世界最大級を誇り、日本の希望の象徴であった戦艦大和は沈んだ。その最期を見届け、奇蹟的な生を得た著者が、艦と運命を共にした三千余名と「大和」の鎮魂の為に書き記した二つの生と死の軌跡。死を覚悟した彼らの悲痛な祈りに、いま我々は耳を傾けねばならない。「臼淵大尉の場合」「祖国と敵国の間」の2作を収載。下巻「戦艦大和ノ最期」。
原爆で命を奪われた恩師や友人たちへ捧ぐ鎮魂の祈り
 
『やすらかに今はねむり給え/道』
林京子

昭和20年5月から原爆投下の8月9日までの日々――長崎の兵器工場に動員された女学生たちの苛酷な青春。一瞬の光にのまれ、理不尽に消えてしまった〈生〉記録をたずね事実を基に、綿密に綴った被爆体験。谷崎潤一郎賞受賞作「やすらかに今はねむり給え」のほか恩師・友人たちの最期を鮮烈に描いた「道」を収録。鎮魂の思いをこめた林京子の原点。
出征前の将校との交流が少年にもたらしたものは
 
『兵隊宿』
竹西寛子

乗船直前、自分の家に泊った3人の出征将校の姿に、未知の大人たちの世界を知り微妙に変わる少年の心の襞。川端康成文学賞受賞「兵隊宿」ほか9つの短篇群。
自身のシベリヤ抑留経験をもとに綴る現代戦争文学の名著
 
『シベリヤ物語』
長谷川四郎

逃亡兵が闇の中で射殺され横たわる「小さな礼拝堂」。凍てつく酷寒の町に一人出されて道路掃除する「掃除人」。シベリヤの捕虜収容所体験をもつ作家の冷静な眼は、己を凝視し、大仰な言挙げとは無縁の視座から出会った人々、兵士、ロシヤの民衆の生活を淡々と物語る。「舞踏会」「ナスンボ」「勲章」「犬殺し」等11篇により、人間の赤裸に生きる始原の姿を綴る現代戦争文学の名著。
数多くの戦争小説を発表した著者の代表的短篇集
 
『白兎・苦いお茶・無門庵』
木山捷平

敵の戦車に人間爆弾となって廃兵が飛び込む訓練を繰り返す。そんな理不尽きわまる敗けいくさ。夫たちが徴兵され、著者がいみじくも名付けた半後家たちとの置き去りにされた生活。“一年が百年にも感じられる”流謫の生活の中でも、市井に生き続ける“在野”の精神を飄々たる詩魂で支え、正に“人生の歌”を歌った木山捷平、中期・晩年の代表的短篇。
太平洋戦争全史を描いた唯一の大河小説
 
『小説 太平洋戦争』
山岡荘八

昭和16年、日米両国は最悪の関係に陥っていた。前年の日独伊三国同盟に徹底対抗を宣するアメリカ。大統領ルーズベルトは、すでに対日戦争の肚を固めていたのだ。日本は打開策を模索し、再三交渉の特使を派遣するが……。太平洋戦争全史を描いた唯一の大河小説、今よみがえる! 全9巻。
対米戦争に突き進んだ日本の選択の陰にあったものは
 
『開戦前夜』
児島 襄

昭和十五年十一月二十五日朝、元老西園寺公望死去を報じる新聞には、野村吉三郎海軍大将の「超大型」駐米大使就任の記事が載った。その朝、引き揚げ日本人客を乗せアメリカから横浜に帰港した新田丸から、二人の米国人神父が上陸する。出迎えたのは予備役海軍少将山本信次郎だった……。対日輸出禁止、渡航制限など、最悪の時期を迎えた日米関係を打開すべく水面下ではさまざまな動きが進むが、現実に進行したのは、相互理解の拒否、善意の拒絶、強圧と屈服要求だった。
太平洋戦争末期の飛行機乗りたちの物語
 
『忘れ得ぬ翼』
城山三郎

これは、太平洋戦争末期、絶望的な戦いを強いられた軍用機と飛行機乗りたちの物語である。敗戦とともに、空の男たちは操縦席から降りることを余儀なくされ、それぞれの戦後を生きたが、彼らの運命を決定した愛機は、いまもなお、彼らの心の中を飛び続けている。著者・城山三郎は、敗戦後四半世紀の時点から太平洋戦争を逆照射することによって、あの戦争と、戦後の日本が何であったかを問うている。同時に、男たちがともに戦った“翼たち”への愛情は、あふれるばかりである。
■写真集&ノンフィクション傑作選
戦争に翻弄された一家の悲劇を綴るノンフィクション
運命の一日「8月15日」
 
『自決 こころの法廷』
澤地久枝

太平洋戦争敗戦直後の夏、親泊大佐は一家で自決した。ガダルカナル島など激戦地を転戦、人肉が売られる地獄から生還し、故郷沖縄も焦土と化すなかで、からくも生き残ったとき、なぜ彼は死を選んだのか。遺族や戦友の証言を丹念にひろい、残された史料から親泊のこころの足跡をつぶさに辿る。戦闘そのものが命を奪うだけでなく、人間を徹底的に追い詰める戦争の悲惨を通して戦争とは何かを問い直す、渾身のノンフィクション。
 
『日本のいちばん長い日<決定版> 
運命の八月十五日』
半藤一利

近代日本の“運命の一日”を描いた不朽の名作。太平洋戦争を終結させるべく、天皇の「聖断」に従い和平への努力を続ける首相鈴木貫太郎をはじめとする人々と、徹底抗戦を主張して蹶起せんとした青年将校たち──。玉音放送を敢行しようとする政府関係者に対して、陸軍の一部軍人は近衛連隊を率いて皇居に乱入した。そのあまりにも対照的な動きこそ、この一日の長さを象徴するものであった。玉音放送が流れた昭和二十年八月十五日正午に至る一昼夜に繰り広げられた二十四幕の人間ドラマ。
戦争を終わらせたのは誰か──
知られざる日中戦後史がここに
 
『聖断 天皇と鈴木貫太郎』
半藤一利

日露戦争で勇名をはせ海軍大将まで昇りつめた鈴木貫太郎は、侍従長としても天皇の信頼が厚かった。敗色濃い昭和20年4月、鈴木は老齢ながら「最後のご奉公」と総理大臣に就任。徹底抗戦、一億玉砕論渦巻くなか、太平洋戦争に終止符を打つために動く。天皇は「この際、自分のできることはなんでもする」と御前会議で語り、<聖断>により戦争は終わった。平和を希求される天皇と、国家の分断を阻止し、狂瀾を既倒に廻らす大仕事をなす宰相の感動の終戦実録。
 
『「留用」された日本人 私たちは中国建国を支えた』
NHK「留用された日本人」取材班

「留用」とは何だったのか。戦後、中国東北部(旧満州)にいた日本人が、鉄道や製鉄所の技術者、従軍医師や看護婦、空軍創設の教官などとして協力を要請され従事し、中国建国へ貢献をした。それを「留用」という。これは、中国から「国際友人」と尊称された人々の、知られざる日中戦後史である。
原爆投下直後から撮影された201枚の貴重な写真
 
『ヒロシマ 1945.8.6――原爆を撮った男たち』
松重美人 松本栄一 林重男 他14名

学徒として中国新聞社に派遣されていた17歳の山田精三は原爆炸裂の2分後、手にしたカメラのファインダーに原子雲をとらえた。この貴重な1枚を初め、「反核・写真運動」が収集してきた800枚を超える記録写真から100枚を厳選した「ヒロシマ」編。撮影期間は1945年8月6日〜1947年4月30日。
 
『ナガサキ 1945.8.9――原爆を撮った男たち』
山端庸介 松本栄一 林重男 他2名 

長崎に投下された原爆が爆発してから15分――破壊しつくされた町の撮影が早くも始まった。三菱重工長崎造船所の森末太郎が撮影した8枚の写真は63年たった今回初めて公開された。「反核・写真運動」が収集してきた800枚を超える記録写真から101枚を厳選した「ナガサキ」編。撮影期間は1945年8月9日〜1945年10月上旬。
昭和20年──東大医学生の1年間の生活記録
平和を訴え続ける被爆者たちの遺品
 
『戦中派不戦日記』
山田風太郎

連日のように続く空襲、その中での生活、必勝の信念、疎開、ポツダム宣言、原爆、ソ連の参戦、そして無条件降伏、終戦直後の異常な混乱と進駐軍の上陸……。祖国・日本への憂情と青春の鬱屈をかかえた一人の医学生が体験したかつてないドラマチックな年、昭和20年1月1日より12月31日まで、未曽有の一年間の体験を克明に記録した「不戦」日記。歴史の激動の中を懸命に貪欲に生きる庶民の生活史としても貴重な資料である。
 
『ヒロシマ・コレクション 広島平和記念資料館蔵』
土田ヒロミ

広島平和記念資料館には、いまも被爆資料の寄贈が絶えない。原爆投下によって封じ込められた「時」と移り変わる現在との二重構造を内包した静謐なモノクロ・プリント群、それら資料にまつわる被爆の惨状。被爆資料の展示を通して平和を訴える広島平和記念資料館とヒロシマを撮り続ける写真家・土田ヒロミの共同作業による、フォト・メッセージ・ブック。
徹底した事実に基づいて著者が語る戦争の本質
 
 
『戦後を拓く思想』
小田実

本書にある「難死の思想」は、戦争を体験していない人にも、戦争の本質を想像力によって思想的に体験させてくれる戦後文学論だ。作者は、「散華」に対して「難死」、「特攻機の出発」に対して「特攻機のゆくえ」といった、戦争の出来事がもつ時間と空間の流れのゆくえに想像力をもつことで、人間や世界のしくみ、戦争の本質を見抜こうとした。極限における戦争の死を、観念や情緒に流れることなく、徹底した事実に基づき書いた本書の名評論の数々は、時代を越えて読み継がれている。