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漫画天国「まんてん」
漫画天国「まんてん」



国友やすゆき(くにとも・やすゆき)

●1953年、福岡県遠賀郡出身。早稲田大学漫画研究会を経て、1973年手塚賞の佳作を受賞して、プロデビュー。「漫画アクション」連載の『ジャンク・ボーイ』は500万部を超える大ヒットを記録し、アニメ化もされている。他の代表作に『100億の男』『幸せの時間』もあり、こちらもドラマ化されている。
――電子書籍についてどう思いますか?

電子書籍にしてみて分かったことというのは、新たなマーケットであるということですね。まったく想定していなかった人たちが、僕の作品を読んでくれているということがわかりました。メディアが変わっていくということは、作品が違う市場を得ていくんだなということ。要するに紙媒体だけの市場だけだったら、絶対に読まなかった人たちが、読んでくれているということ。若い女性や主婦層です。僕の作品の場合は、紙媒体だと手にとりにくい作品があったりするんですが、ネットだと好きな時に読むことが出来るわけですから。逆に想定外の読者が読んでくれているということは、すごく自信になった。ただし、ネットの世界でもウケるものとウケないものがあるのも厳然たる事実。メディアとマーケットが違うということは、表現方法も違ってくるのかなと思った。受け取る人達が違うということは、受け取っていることが違うということなんだと思う。新しい媒体が、従来とは違うフィールドを開拓して、違うことを要求してきているんだなと感じてます。


――漫画家になるきっかけは?

だらだらと漫画家になっちゃった(笑)。大学に入った当初は、漫画家になる人なんて特別な人だと思っていたので、就職するつもりでした。ところが、漫研に入っちゃったのが、もう運の尽き(笑)。勉強なんて全然しなくなっちゃって。就職活動なんかも一切せずにいた。たまたま一つ上の先輩が某漫画雑誌の編集部にいて、新人を探していたんです。ネームを作ってその先輩のところに一年くらい通いましたかね。商売が出来る漫画としての描き方を徹底的に教えていただいて。そして、手塚賞の佳作を2回もらって、読み切りの作品でデビューすることになるんです。


――影響を受けた作品

僕は石ノ森章太郎さんのファンだったんですが、『石ノ森章太郎のマンガ家入門』がベストなんじゃないかと思ってるんです。あれは空前絶後の本でしたね。27歳の若い著者がこんなこと言えるのかっていうくらい奥が深いんですよ。それまでいくつか漫画家入門っていう本は読みましたけど、「ペンはなにを使いましょう」とか技術的なことばかり。ドラマの分析も含めてあんなに論理的に明解に物語を語った本なんてありませんでした。こんな風に理屈で考えれば、俺みたいな奴でも漫画家になれるんだって思った。ああキャラクターってのはこうやって考えるんだ、ドラマってこうやって作るんだ、起承転結ってこうなるんだ、というのを目にしたときは「ああそうなんだ」って思いましたね。僕のバイブルで、あれが最高の作品です。


――いまとは違って、デビュー後は原作付きの漫画が多かったが?

デビュー後は、劇画誌で麻雀劇画やちょっとしたお色気ものみたいなものを10年くらい描いてましたね。あんまりテーマに興味もないのにみたいな感じでや ってました。でもそれなりに食えていたんです。別にそれはそれで良かったんですね(笑)。忙しくもなく、まあ儲かりもせずでしたけど、食うにも困らず。それで転機になったのが、実は江口寿史さんの『ストップ!!ひばりくん!』を見たときに衝撃を受けたんですよ。すごく綺麗な絵と洒落たコメディーに。それを意識して描いた『優と勇』をきっかけとして、オファーがくるようになりました。


――人間の欲望や幸福を掘り下げた作品が多いですね

端的に言うと僕の漫画のテーマは「愛と資本主義」。資本主義は言い換えるとただ「欲望」ってことなんですが、言い得て妙かなと。僕は『ジャンク・ボーイ』でブレイクしたんですけど、自分のブレイクした作品の何がウケたのか、やっぱりそこが基本だと思ってるんですよ。愛と資本主義なんだと。だからそこからまったく変わっていないんです。だから僕の漫画は「欲望」が基本になってるんですね。一見『ジャンク・ボーイ』と『幸せの時間』ってずいぶん違いますけど、テーマまで戻っていけば同じことなんですよ。だから後々の作品で言えば『100億の男』もそうですし『×一』も全部基本はそこなんですよ。時代とともに、フィールドやメディアの違いにおいて、表現の仕方を変えていくということなんだと思っています。そこは外したらダメなんだろうなって思ってるんですけど。自分の欲求と言うよりは、漫画の業界での座席と言うか、他の人と一緒の物を描いても仕方ないですよね。


――最も筆が軽かった作品を挙げるなら?

『×一』ですね。これは読者に負担をかけたくないっていう思いが強くあって、疲れさせたくないと思って描きました。自分自身が楽しんでいる感じがないと読者が気付くなっていうのがあったんですよ、だから乗って描かなきゃなっていうのがあったので。そういう意味で言うと、“わあーわあーわあーっ”という展開にしようという感じです。そういう感じがあったので軽かったですよね。何にも考えずに“軽い”って言われると困るんですけど(笑)。


――今後描きたい作品は?

これからも愛と資本主義であることには変わりないです。だからそこの切り取る視点が新たに見つかるかどうかなんですね。結局その切り取り方を変えればまったく違うように見えるので、また面白いエピソードを提供出来るようにします。少なくとも熱血漫画とかは描かないんで、幸せいっぱいの漫画も描かないかな(笑)。次の漫画もとんでもないことになるような話ばっかりだと思いますね。それがないと、もたない。また突拍子もない設定ととんでもない主人公を考え付くかどうかだと思っています。




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