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漫画天国「まんてん」
漫画天国「まんてん」



狩撫麻礼(かりぶ・まれい)

●東京都出身。独特の世界観を持つ作風で読者に熱狂的な支持を得る原作者。1979年に「EAST OF THE SUN, WEST OF THE MOON」(画・大友克洋)でデビュー。『迷走王 ボーダー』 (画:たなか亜希夫)『ハード&ルーズ』(画:かわぐちかいじ)がヒット、代表作となる。土屋ガロン名義の『ルーズ戦記 オールド・ボーイ』(画:嶺岸信明)は韓国で映画化(パク・チャヌク監督)され、2007年カンヌ映画祭グランプリを受賞。ひじかた憂峰名義で書いた『湯けむりスナイパー』(画:松森正)は2009〜2010年、テレビ東京でドラマ化(大根仁・演出)され、好評を博した。
――これまでの作家生活を振り返られて思うこと、電子書籍にて先生の作品が配信されていることに関してどう思われますでしょうか。

漫画が輝いていた時代がありました……。
私はヒットメーカーではありません。だがそれゆえに、マイナーで理想家肌で才気と野心に溢れた漫画家諸氏と、マンガの可能性について真剣に問い、考え、≪物語る≫ことのできた幸運な原作者であると思っています。

電子配信ゆえに 、入手困難&絶版 気味の作品までお目にかけることができそうです。私の作品のメッセージが、私を知らぬ若くて新しい読者に届くことがあれば嬉しいかぎりです。


――作家(原作者)になろうと思ったきっかけを教えてください。

小学生のころ、東京の下町で過ごしました。野球仲間に父親が弱小の印刷所に勤めている少年がいて、刷りあがったばかりの貸本屋向けのマンガ単行本を私にも回覧してくれたのでした。その時の心臓の高鳴りを忘れません。白土三平の“忍者シリーズ”との出合い……。その数年後、誰にとっても悩み多き高校生の頃、おそらく白土三平のライフワークであろう“カムイ伝”に、私はさらなる深い感銘をショックをうけたのでした。小説とも映画とも異なる≪漫画≫の可能性……。

工事現場で働いたりヤキ鳥を焼いたりラーメンを調理したりコーヒーを淹れたりして正式な“就職”を避けていたけれど、さすがに30歳の頃に“この社会に自分のポジションなどないのだ”と悟って(笑)、一度だけ不可能と思えることに賭けてみようとした時に、≪白土三平作品に魂を揺さぶられた自分≫の切り札は、これしかなかろう……それが漫画原作者という結論でした。


――書き進めるのに最も苦労した作品と、逆に面白いほど筆が進みやすかった作品はありますでしょうか。

連載を始める時は常に苦労します。バンドの生演奏と同じで、作画家がどのような『音』を出すのかわからぬうちに出発しなければならないから。
逆に、連載がスタートして作画家がノリまくっている絵柄と構成を感じれば、ほとんど苦労しません。まるで自動筆記のように書けることさえあるのです。


――ご自身の生き方、考え方はどのように作品に反映されていますでしょうか。

間抜けで内気で、やや非常識で、好き嫌いと白黒ハッキリ、という極短(笑)な性格ゆえか社会にうまく適応できなかった“自分自身”が、すべての作品のストーリーやネームに行き渡っている気がして悲しいです(笑)。


――既に劇画界で確固たるビッグネームであった“狩撫麻礼”名義を名乗らなくなったのは何故でしょうか? そのきっかけ、特別な思いなどお聞かせ願えますでしょうか。

読者とは基本的に保守的なものです。私もそうでした。たとえば“白土三平”や“つげ義春”が作風やスタイルを変えると、すぐには共感(理解)できずに反発してしまうことさえあったのですから(笑)。そして数年後に作者の真の意図がわかったりして……。
それゆえ私は初期作品の印象やイメージ(狩撫節とやら)を裏切ってでも、作者として前に進まなければいけない、と判断して≪別名義≫で書くことに賭けたのです。同じことを飽きもせずに継続して版元と読者の期待にこたえるタイプの作者にはなりたくありません。


――今後、どのような作品を書いてみたいと考えていらっしゃいますでしょうか。

いつの日にか、個人や家族や国家や『死』のことなど、総てが描かれている長い永い長い≪物語≫を……と、考えてきたつもりですが、おそらく作画家が閉口するか逃亡するでしょうね(笑)。 つい最近では、テレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』という映画を観て大いに創作意欲を駆られたのですが……。 でも、やはり無理かなあ。コツコツと佳作小品でいくことにしましょうか。






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ハード&ルーズ

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チャージ

天使派リョウ

奇跡のヒト

オールド・ボーイ

湯けむりスナイパー

湯けむりスナイパーPARTII
花鳥風月編

湯けむりスナイパーPARTIII

リバースエッジ
大川端探偵社
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©狩撫麻礼・たなか亜希夫/双葉社 ©狩撫麻礼・かわぐちかいじ/トラスト・ツー ©狩撫麻礼・嶺岸信明/双葉社
©狩撫麻礼・中村真理子 ©狩撫麻礼・やまだないと ©ひじかた憂峰・たなか亜希夫/日本文芸社
©ひじかた憂峰・松森正/実業之日本社


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