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2016/10/28更新
ヒロイン全員、「セクシータレント」候補!?
ぼくたちが本当にシタかったこと
白都くろの(著)/珈琲猫(イラスト)
 読者の皆様へのご注意。
 今回とりあげる作品は、アダルトビデオ産業を題材とした作品であり、必然的に、書評も性的な内容に触れます。苦手な方は、ご注意下さい。














 はい、というわけで、今回は、これ。

白野くろの『ぼくたちが本当にシタかったこと』(ガガガ文庫)

 冒頭にあるように、ライトノベルでありながら、AV業界を題材した異色作だ。肌色度の高いライトノベルというのはけして珍しいものではなく、昨今ではお風呂でローションプレイぐらいは標準装備と言っても過言ではなくなった感があるが(注:過言です)、しかし、さすがにここまでぶっ込んでくるのはなかなかないのではないか。
 本当に、冒頭の「注意」は、シャレでは、ないのです。
 主人公は高校卒業後、AV業界の人員を育成する専門学校・成人映像専門学校、略して成専に入学した一年生。そんな学校生活の一環としてアダルトビデオの撮影の現場にエキストラとして赴いたりもしてます。イメージビデオじゃなくてAVです。寸止めとか疑似とか一切なしです。というわけで冒頭から濃厚な「カラミ」が展開されています。しかもアレですよ。女優ひとりに男優四人の陵辱ものですよ。


 目の前で行われているセックスは、紗村さんと、男優たちとが、まるで主導権争いをしているかのように見えるけれども、いったい、どこまでが筋書きなのだろうか。
 すべてが緻密に計算された演技だとしたら紗村さんは凄すぎるし、違ったとしたら、セックスというもの自体が、恐ろしく思える。
 愛も恋もない……ひょっとしたら今日、初対面かもしれない男女が、セックスをすることで、あっとう間に濃密ずる関係性を築いている、その姿に、僕はただただ、あっけにとられるばかりだった。



 目の前で繰り広げられる光景は、さっきまでとは、また違う様相を持ち始めていた。紗村さんと、四人の男たちの間に繰り広げられていた支配権をめぐる争いは、もうそこにはなかった。
 ただひたらすにお互いの身体を使い、自分の身体を投げ出して、愉悦の涅槃へとたどり着こうともがいている人間の姿があるだけだった。
 黙っていれば、少女のようにも見えるあどけない容姿をした紗村さんが、そんな欲深さを持っていて、それを曝け出している姿から、もう目を離すことができなかった。


 とまあ、こんな感じでものすごくガッツリそのシーンが描写されます。
 これだってギリギリ引用できそうなところを切り抜いているだけでして、実際にはもっと亀とか汁とか潮とか液とかその手の字が入った単語とか三文字とか四文字の単語が踊り狂っています。普通に実用的だと思われます。

 実のところ本番描写がある作品がライトノベルに絶無かと言えばそんなことはなく、それこそ『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』とか『デビル17』とかあるにはあるわけですが、しかし、それらと比べても本作はエロい。むしろ本作のエロさというのは(ガッツリ引用しておいてなんなのですが)、冒頭の直接的な行為の部分より、その他の部分にあります。

 というのも、主人公の通う専門学校は男女共学でして、この実習の現場には男子だけでなく女子の同級生もいるのです。主人公と一緒にエキストラになって台詞まで読んだりしているのです。はい、そうです。アダルト業界に進む人間を育てる学園に通う女子生徒ということで、その多くがAV女優志願なのです。いや、それどころか出演済みの生徒さえいるのです。AV女優(の卵)たちとの学園ラブコメ……そんな(おそらくは)前代未聞のライトノベルが本作なのであります。

 いや、なんかねー、これがこう、強烈に「来る」んですよ。何せ冒頭で強烈な本番撮影の部分を見せつけてくれたわけですから、出てくるキャラ出てくるキャラ、この子もあの子も、将来的にはカメラの前で脱いじゃうのかなぁ……あんなスゴイ格好であんなことしちゃうんだよなぁ……なんてどうしても想像しちゃうのですよ。人によってはもうとっくに済ませちゃっているんだよなぁ……というなんとも言えない、もんもんとした気持にさせてくれるわけです。やばい。とまらない。鎮まれ、俺の童貞力!!

 で、主人公の渡戸愁くんがまたいいキャラクターで、成り行きで「成専」に入ったものの、いまいち割り切れず、みずから進んでAVに出たがる女の子って何を考えているんだろう、とか、僕が求めるエロスってなんなのだろう、とか悩み続ける実に童貞くさい、もとい、真面目な少年です。そんな彼が、みずからの悩みに向き合うために、同級生の女子・九重紗英ちゃん(ただしAV女優ではなく脚本家志望)とともに、クラスメートになぜアダルト業界を目指したのか、みずからが考えるエロスとは何なのかを聞いていく……というのが後半の展開となります。

 ……あ、これ、あれやん、単体ものAVの冒頭によく入ってるインタビューのやつやん!

 で、その他、AV出演済みの女生徒とひょんなことから知り合って、その子と自室でふたりっきりになって誘惑されて等々、全童貞男子(含む・元)垂涎のシチュエーションとかもいろいろあるんですが、とにかく全般的にエロい。
 AV女優志望という前提のせいで、直接的なエロシーンではなく、何気ない日常のシーンにこそ謎のエロさが充ち満ちていて、とにかく読んでいてドキドキするしザワザワする。自分の内なる童貞力が活性化されているのがわかります。……残念ながら、いろいろ経験に乏しい評者の語彙力ではこれ以上語ることは難しいのでとにかく読んで頂きたい。

 そして出版社とガガガ文庫様と著者の白野くろの様には、とにかくお礼を言いたい。
 ヒロインといえば「清純さ」が絶対条件のようにもとめられる昨今、でも、別にそうじゃないヒロインがいたっていいじゃないですかと評者なんかは思うわけですよ。一見清楚なあの子が……とか経験豊富で積極的な女の子に無理矢理……とか、そーいうシチュエーション、評者大好きなのでラノベでももっともっと増えろと思っているわけですよ(……異論は認める)。

 ですので、ですね、せっかくこの題材なのだから、同級生たちが無事(?)デビューを飾って、主人公の目の前で脱いだりなんだりするところまで描写してしまってほしい。そして、うわーなんで俺こんな鬱なのに興奮しているんだろう、みたいな気分になりたい。……なんかもういつも以上に評者の個人的な性癖がタダ漏れになってしまっていますが、それもこれもガガガ文庫と本作がすべて悪いのです。いや、悪くない。よい。よくやった!! 続編も期待しています!! あざます!!
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