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超人ロック生誕50周年!! 聖悠紀インタビュー

超人ロック50周年記念インタビュー

『超人ロック』50周年、まずはおめでとうございます。

:ありがとうございます。いつの間に50年経ったんだという感じですね。締め切りを一つ一つ片付けて、気がついたら50年経っていたという感じですね。だから特別な感慨とかそんなにないですね。毎回、締め切りを間に合うように仕上げようという気持ちです。昔は(ペン入れ)が速かった時期もありましたが、最近は出来るだけ時間を掛けていいものをと…まあ言い訳みたいになりますけど(笑)。

50年間も同じタイトルの作品を描き続けるには、何か秘訣があるように思うのですが…!?。

:秘訣というのは特にないですけどもねえ。やっぱり、一番大切なのはモチベーションだと思いますね。それがあるうちはまだ描けるかなと思います。『超人ロック』は長い連載ものと違ってエピソードを積み重ねているんですが、最近は昔ほど何て言うか閃きみたいなものがちょっと少なくなっていますかね(笑)。

『超人ロック』の魅力は、何といってもロックを中心にしたキャラクター群像ですね。

:そうですね。僕自身はそんなに魅力というのを感じないんですが(笑)、読者の方々が言ってくださるので、まあ魅力のあるキャラクターなんだなとは思っていますけど…。主人公を生かすも殺すも脇役や敵役次第なのですが、彼らの方が重要過ぎてロックより目立つってのはよくあります(笑)。お気に入りのキャラクターをよく聞かれますが、特に気に入ったキャラというのはないですね。というよりも、どれもこれも気に入っています。ロックと他のキャラクターそんなに差がないというか、ロックも登場人物の一人という感じです。僕の中では…。

『超人ロック』は壮大な宇宙叙事詩、スペースロマンです。ファンたちによって「宇宙年表」まで作られていますが…!?

:描き始めた頃はそのコンセプトで描いていましたね。でも、最近は大きなロマンとか歴史の流れとかいうのは、あんまり意識しなくなりましたね。「宇宙年表」にしても新しいエピソードが加わって、色々と齟齬(そご)をきたしているところがあったりして…(笑)。

『超人ロック』の50年の歴史は「ニンバスと負の世界」から始まっています。この作品を描くヒントにしたのは何だったのですか?

:これといったヒントというのは、ないんですけども、きっかけは扉絵なんですよね。「ニンバスと負の世界」の扉絵にロックを描いて、そのキャラクターを見ていてこのキャラクターが活躍する話ってどんなものだろうなあと、色々考えて作ったんですね。まあとにかく、ヒーローだから強くなきゃいけないだろうとか、不死身でどうだろうか、不老長寿なんていうのはどうだろうかとか、色々考えて…(笑)。もちろん、超能力もね。

『超人ロック』(1)「ニンバスと負の世界」より。

『超人ロック』(1)「ニンバスと負の世界」より。
©聖悠紀/SG企画

当時はSFマンガとか特に超能力マンガなんていうのは中々受け入れてもらえない状況がありましたね。

:『超人ロック』は同人の「作画グループ」で発表するために描いたわけで、商業誌として成功する、しないなんていうのは、全然考えていなかったですね。ただ、結構マニアックな話だなと思って描いていましたので、作画グループでもそんなに受け入れられるとは思わなかったんですよ(笑)。

以前にインタビューをさせて頂いた時に、壁一面の本棚にSFの本を集めて読んでいきたいとおっしゃっていましたね。

:う〜ん、それはどうだったか忘れちゃいましたけれど…(笑)。まあSFは好きで読んでいました。ハヤカワと創元の両方のSF文庫を…。超能力以外も好きで読んでいましたが、何か超能力ものには心ひかれましたね。

『超人ロック』の魅力は、奇想天外な超能力に加えて、ユニークなメカニックにあると思います。メカもののSF小説もお好きだったのですか!?

:メカはね、割と好きでしたね。見るのは好きでした。描くのも…まあ〜大変かなあ、描くのはやっぱり。かっこいいメカを描きたいというのはあるのですが、いざ描き出すと面倒くさくなってしまうという(笑)。メカニックは時間を掛ければ掛けるほど、すごいのが出来るんですけれど、とてもそこまでの根気が続かない…(笑)。写真や何かの資料で自分が気に入ったデザインを覚えていて、それが成熟されて出て来る感じですね。

『超人ロック完全版(2)魔女の世紀』より。

『超人ロック完全版(2)魔女の世紀』より。
©聖悠紀/少年画報社

作画グループのばばよしあきさんによると、最初は10ページほどの短編、以後32ページ、69ページのSFそして大幅増ページの「ニンバスと負の世界」が送られてきたと驚かれていますね。

:「ニンバスと負の世界」は97ページ。120ページ描こうと思っていましたが…。ひと月と少しかかったかな…。大体毎日描いていましたね。受験の年だったんで…。受験勉強は全然やらなかったですね。マンガばっかし描いてました(笑)。大学は機械科なんですが、正直な話、マンガを描く暇を作るため行っていました。勤めているととてもじゃないけれどマンガなんて描けない。大学が休みになると、大阪のばば氏のところに泊まり込んで、ずーっと描いていましたね。随分、迷惑をかけたなあと思っています。

『超人ロック』の商業誌デビューですが、「月刊OUT」と「週刊少年キング」がありますが…!?

:「月刊OUT」は一応商業誌という体裁ですが、まあマニア誌ですね。一応ここで商業誌デビューですね。ロックを描いてくれと言われても、最初はあんまり乗り気じゃなかった…。ロックを描いてもどうなんだろうなと。一応描きますってことで「月刊OUT増刊 ランデヴー」に連載を始めたんです。『超人ロック』は完全にマニア向けの作品なので、どういう風に描こうかなという思いはありましたね。

その後「ランデヴー」は休刊してしまいますが…。

:「ランデヴー」の後、しばらくしてからですね。「少年キング」からオーディオマンガを描いてみないかという話があって…。で、描きましょうって話したら、実は『超人ロック』をやって欲しいという話になった。それで描いたのが「炎の虎」ですね。週刊誌は初めてなので、とにかく10回掲載して何ヶ月か休んでまた10回という形にしようということだったんですよ。まあ、当時は『くるくるパッX』をまだ描いていましたので、いきなり週刊と隔週とを一本ずつというハードスケジュール(笑)。

『超人ロック』の連載が始まって驚かされたのが超能力のネーミング。それとSF的な設定のユニークさがあります。

:超能力のネーミングはそんなに苦労したことはないかな。割りと思いつきで描いていますね。でも、どうしても決まらなかったのもいくつかあります。SF的な設定でいうと「移遷崩壊」とかがありますが、超空間航法の途中でエンジンが壊れたらどうなるだろう。で、それを何て表現したらいいんだろうと考えて名づけた名前です。「移遷」という言葉自体は、E・E・スミスが使っています。

ESP感知素子を逆転させると人工のエスパーが作れるというのも面白いですね。

:ははは(笑)。まあ〜、適当に考えてやったんです。適当に……。

最近の『超人ロック』では最新の科学ネタなどが入っていますね。

:まるっきり現実と関係なくすると、荒唐無稽な話になってしまいます。ある程度は現在のちょっと先にあるみたいな感じを残しとかないと、読者が読んでも訳の分からない状態になってしまう。その辺は気を遣って描いています。

『超人ロック クアドラU』より。

『超人ロック クアドラU』より。
©聖悠紀/少年画報社

読者にはSF好きが多いと思いますが、最近の読者の反応にはどんなものがありますか?

:読者の反応はあまり気にしないで描いていますね(笑)。初期の頃からひたすら自分が面白いもの、カッコイイものを描いて、たまたまそれが読者の皆様に受け入れられたという形になっています。

これから、『超人ロック』で描きたいテーマはありますか?

:いくつかはあるんですが、まだ具体的になっていないんですよ。海のものとも山のものとも。まだ肝心な話みたいなところが固まっていない。あまり時間は気にしていません。ひょっとしたら、過去の話になるかもしれないですし、遠い未来の話になるかもしれません。やってみないと分からないというところですね。

どんなお話になるか想像するだけでワクワクしてきます。本日はどうもありがとうございました。

2017年5月
聖悠紀先生事務所にて

プロフィール

聖悠紀(ひじり ゆき)

1949年12月21日、新潟県新発田市出身。
1966年から漫画サークル「作画グループ」の主要メンバーの一人として活躍。1967年、同グループの肉筆回覧誌に『超人ロック』の記念すべき第1作を発表。このエピソードは、現在では「ニンバスと負の世界」として知られている。1972年、「別冊少女コミック」(小学館)5月号に『うちの兄貴』を発表し商業誌デビュー。1977年、「月刊OUT増刊ランデヴー」(みのり書房)に、1979年、「週刊少年キング」(少年画報社)に『超人ロック』を連載して人気爆発。『超人ロック』はラジオ・ドラマ化、アニメ化され多くのファンを獲得。その後、掲載誌を移しながら発表。現在、「月刊ヤングキングアワーズ」(少年画報社)、「コミックフラッパー」(KADOKAWA)にて連載中!

取材・執筆/綿引勝美

1946年、東京都出身。秋田書店で「まんが王」「少年チャンピオン」「プレイコミック」の各編集部に在籍した後、独立。マンガ、アニメ、特撮などの企画・編集をするメモリーバンクを興す。マンガ編集半世紀に及ぶ経験を生かし、マンガなどの編集だけでなく、研究・執筆活動を続けている。

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