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和の万華鏡  ―和の魅力を考える―

本書は日本の「和」の魅力について、著者自身による「切り絵」の挿絵を散りばめながら、多角的な視点から考察している作品です。長年日本の旅行業界で活躍してきた著者が、伝統文化や大衆文化などの日本文化の魅力をコラム形式でわかりやすく解説しています。旅行、観光業界に携わる方々にはもちろん、日本の魅力を再認識して次世代へ向けた取り組みを志している学生や社会人など幅広い世代の皆様が楽しめる内容になっています。

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書籍の詳細

書店員のレビュー

国民総幸福感(GNH:Gross National Happiness)という指標を知っていますか?GNP(国民総生産)が国の経済力を測る物差しとしてよく知られていますが、経済規模が必ずしも、国民の豊かさ、ひいては幸福度をもたらす絶対的なものではない、という考え方から生まれ、ブータンが提唱してきた新しい概念です。提唱国のブータンが8位に入り、EU周辺国が上位を占めるのに対し、日本は178カ国中90位――実は日本人は自分たちが思っているほど幸せではないという驚くべき実情を紹介しているのが『和の万華鏡―「和」の魅力を考える―』。JTB取締役、JTBアメリカ副社長、国際観光振興機構/日本政府観光局理事などを歴任してきた著者(安田彰・亜細亜大学教授)が再生のきっかけをつかめず自信喪失状態の日本が今後進むべき道を探った好著です。〈21世紀の理想はいわば「江戸時代の再現」だ。環境・有機・循環・ゆとりといった「非文明」が文明を呑みこむ逆説の世紀となるだろう。いよいよ日本の出番である〉安田教授は世界を虜にする「クールジャパン」の可能性を、弁当の文化的発展や世界一短い詩、短歌・俳句・川柳の隆盛に探っていきます。弁当箱はたんなるLunch Boxにあらず、というわけです。ランチボックスはピクニックや旅行の時などレストランで食事できない「非日常」の匂いを放つのに対して、日本の弁当は「非日常」「日常」を問わず、生活のあらゆるシーンに入り込んでいます。それも簡素なものから手の込んだものまで多様かつ融通無碍です。アメリカの国際会議場で昼食に大きなラップにくるんだ七面鳥のサンドイッチを連日出されて辟易とした経験を持つ著者は、どこからこのような違いが出てきたのかが大事だとして、古来の旅の携行食「乾飯(かれいい)」「干し飯(ほしいい)」の歴史をたどり、「破籠(わりご)」を「土佐日記」に発見して折り詰め弁当の淵源に思いをはせます。そして、日本の弁当文化の極め付きとして重箱、幕の内、松花堂に話は及んでいきます。これらがいつ始まり、どう発展してきたのか、実はよく知りませんでしたが、なるほど他の国や文化にはない、日本ならではのもので、しかもいまもなお、私たちの生活のなかで日々発展・変容を続けているのだということがよくわかってきます。コンビニの棚に並んでいる多種多様な弁当をなんとなく眺めてきましたが、そこにも「クールジャパン」の息遣いが潜んでいたのですね。それはともかく、著者の提唱する「江戸時代の再現こそ21世紀の理想」という逆転の発想に耳を傾けてみてください。各章の扉ページなどに配されている著者自身による切り絵もクールで楽しめます。(2011/9/30)
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