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老いた鷲でも若い鳥より優れている

前作「女と猫は呼ばない時にやってくる」の舞台になった東京・高円寺の店。そこに集まる女性たちの中にひときわ目を引く美魔女の小鳥遊(たかなし)さん。昼間はスーパーに勤め、夜はお店でワインを片手に語らう。しかし、旦那は長期出張中、息子も家には寄りつかない。毎日ひとり家で過ごし、妻も母も飽きたと感じる彼女にちかづく男性が……!?既婚女性の孤独とむなしさを描いた本作品、小池田マヤの新しい魅力が全開です!

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 日頃、にこやかに話している女性が、ふとしたきっかけで、彼女が腹の底にためていた黒いものを覗いてしまい、ゾッとすることがあります。女性のことをよくわかっていない僕は、そういった黒いものを聞かされると自分の鈍感さを恥じる気持ちと同時に言い知れない恐怖を感じ、おののいてしまいます。
 そんなおののきを感じたのがこの『老いた鷲でも若い鳥より優れている』です。
 本作の主人公は、長期単身赴任の夫と、就職しても同居している息子の大河を持つ小鳥遊さん(50代)です。小鳥遊さんは恐ろしく美しく描かれています。この美しい…というのも、年齢に比べて若くみえるというわけではありません。小鳥遊さんは歳相応に描かれています。顔にはシワができ、体はたるみ…それでも、美しい所作、気品あふれる立居振舞、凛とした雰囲気からくる色気を発散しまくっています。 そんな美魔女でありながら、普通のスーパーのおばさんでもあり、また妻でもあり母でもある多面性をもつ小鳥遊さんに対して、小鳥遊さんの息子である大河は反発します。特に、母としてでない、”女”としての小鳥遊さんに強く反発してしまうのです。小鳥遊さんは小鳥遊さんで、大河が連れてくる、ただ若いだけの馬鹿な女の子をひどく叩きのめし、その度に大河から恨みをかってしまいます。
 この作品で描かれている”業”は、愛ゆえに殺す…とか、恋人が実は兄妹だった…とか、そういった強いものではありません。美味しい料理を食べる、パートの日常生活のなか、ふっと顔をだすなにか…そういったものだと感じました。
 小鳥遊さんという恐るべき母の手のひらのなかで踊り続ける大河は、将来にわたって、美しき小鳥遊さんの支配から脱せないのだなあと思うと、母の業の深さに身震いしてしまうのです。うへぇ。
 この作品は高円寺のレストランにあつまる女性たちを描くシリーズの二作目で、一作目は『女と猫は呼ばない時にやってくる』、3作目は『鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす』も、ぜひご一読を
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