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俺はまだ本気出してないだけ (2)
  • 完結

いつものように出版社へ漫画の持ち込みに来たシズオ。だが今回、シズオの態度はいつもと違っていた。さらに漫画のタイトルも、いつものボツ作とは一味違う雰囲気。何故ならこの漫画には、今までの作品には込められていなかった、シズオの“肉声”が込められていたからだ(本人比)!シズオの頭の中で、幼き日から現在までの人生がプレイバックする…。齢41歳。大黒シズオ、ついに傑作漫画を完成させる!…のかと思いきや、父親とケンカして家を飛び出し、何故か市野沢と同棲生活を開始する第2集!!大丈夫!?

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一時、「自分探し」という言葉が流行りました。これは、ある程度ゆとりというか余裕がないとできないので、人生のモラトリアムにある人たちが口にしていたような気がします。『俺はまだ本気出してないだけ』(青野春秋)は、不惑の40歳にして会社に辞表を出し、自分を探し始めた大黒シズオの話。で、「俺の生き方」を見つけて、宣言します「俺 マンガ家になるわ」。高校生の娘と年老いた父親がいるのに…、絵心があるわけでもないのに…、描きたいことが泉のように湧き出るわけでもないのに…楽天的にマンガ家になろうとします。作品は認められず、マンガ家というゴールを目指しているはずなのに、描くほどにゴールから遠くに離れていくようです。挙句の果てには、なんでマンガ家になることに執着するかを訊ねられて、脳裏に「…なんでだ?」の文字が浮かび上がってしまいます。「残念な感じ」なんてはるかに超越して、徹底的にダメ路線まっしぐらにまい進していきます。痛々しく感じるくらいのダメさ加減です。でも、不思議に惹きつけられるキャラなんですね。大黒シズオ。それは、時々自分自身の生き方に対して反省交じりに逡巡するからではなく、人を食ったようなとぼけたセリフばかり口にしているからでもないような気がします。では、一体なぜ? それは、同世代のオッサンが真似したくても、絶対にできない生き方だから、ついつい成り行きを見届けたくなってしまうのかもしれません。 (2012/2/21)
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