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100円のコーラを1000円で売る方法2

「サムスンにできて日本企業にできない壁」に、主人公の宮前久美が挑戦!ポーターやランチェスターから、「失敗の本質」「ストーリーとしての競争戦略」まで、この1冊でビジネス戦略がわかる!!

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「70%オフ」「ポイント10倍」・・・値引きしなければモノ(商品)が売れない状況が続いています。その時代に登場した『100円のコーラを1000円で売る方法』(中経出版刊)という、目からウロコのような書名の本が静かなブームとなっています。『100円のコーラを1000円で売る方法2』、『100円のコーラを1000円で売る方法3』とシリーズ化され、この4月25日には三冊の内容をコンパクトにまとめた図解版もリリースされました。コミック版、ミニッツ版も出ています。著者は日本アイー・ビー・エムで長くマーケティング施策を担当している永井孝尚(ながい・たかひさ)氏。ビジネス現場での経験に裏打ちされたマーケティング理論を大学卒業10年のイケイケ女子を主人公とする物語に仕立てあげたところが、類書にはない本書のユニークなところです。巻末には各章で展開されているマーケティング理論についての短い解説とその裏打ちとなっている参考文献が紹介されています。これを見れば、MBA(経営学修士)レベルのマーケティング理論のエッセンスが面白くてわかりやすい物語を読み進めるうちに自然に身についていく最適の入門書だということがお分かりいただけると思います。今回はシリーズ第1巻の『100円のコーラを1000円で売る方法』を中心に見ていきます。宮前久美――新卒で会計ソフト会社に入社、数ヶ月の新人研修を経て地方にセールスとして配属。以来10年間、営業の最前線で大型案件を次々にまとめ、その実績をひっさげて東京本社の商品企画部に異動した本書の主人公は、もともとワンマンプレー傾向の強い自信満々型。営業最前線で実績を積み上げてきた自分ほど「顧客」を知り抜いた人間はいないという強い自負を持っています。対する商品企画部の与田は、部長の信頼厚いマーケティング理論家。「与田スクール」と呼ばれる勉強会を主催しています。正式名称は「商品企画部ナイトスクール」で、商品企画部のほとんど全員が参加。新商品企画はこの場でプレゼンをして与田の賛同が得られなければ企画承認にならないという重要な位置づけになっていて、この場での宮前と与田との間で繰り広げられる議論が、最新マーケティングの考え方のレッスンとなっていくという仕掛けです。転勤初日、部長に言われて宮前久美は会議室で開かれた与田スクールに参加します。「事業とは何か」がその日のテーマでした。宮前久美にとっては10年間の営業経験からわかりきった自明のことで、内心何をいまさらと思った彼女と与田の間で何が始まるのか。少し長くなりますが、以下に引用します。〈「ではみなさんに質問します。当社の事業って何だと思いますか?」何人かのメンバーがそれぞれ自分の意見を述べていった。久美は首をかしげながらしばらく黙って聞いていた。だが、そのうち我慢し切れなくなったようで、手を挙げた。「商品企画部って、いつもこんなことやっているんですか?」参加者は一斉に久美のほうを見たが、久美はかまわず質問を続けた。「10年間ずっと現場でセールスとしてお客さんと接していた私からすると、顧客視点から見たウチの事業なんて当たり前すぎて、何を今さらって感じなんですけど──」いつもは和やかな与田スクールの雰囲気が一変した。だが、与田は一人だけ動じることなく、逆に久美に問いかけた。「なるほど、当たり前ですか。では、宮前さん、その当たり前だという答えを、差し支えなければ教えてくれますか?」「はあ」久美は大きくため息をついた。「ウチの事業は、〝お客さんのお役に立てる会計ソフトを開発して、提供すること〟に決まっているじゃないですか」そう言って久美はそれまで開いていたノートをこれ見よがしにパタンと閉じると立ち上がった。「この勉強会、ちょっとだけ期待していたのに、正直言ってがっかりです。部長、せっかくお誘いいただきましたけど、次回からの参加は遠慮させていただきます」帰り支度をはじめる久美を見ながら、今度は与田がため息をつく。「ふっ。なるほど、やっぱり思ったとおりの退屈な答えでしたね。0点です」そのひと言を久美は聞き逃さず、帰り支度をしていた手をピタッと止めた。「気のせいかしら? 0点って聞こえた気がするんですけど――」「あ、ちゃんと聞こえなかったようですね。もう一度言います。0点です。わかりやすく説明すると、あなたの考えは、きわめて、とても、すごく“あ・さ・い”ってことです」与田からあからさまにバカにされ、久美は頭に血が上った。「”あ・さ・い”ですって? 失礼ね! ウチは会計ソフトの会社。だからお客さんの役に立つ会計ソフトを提供する。どこが間違っているんですか!」「幼稚園児でも考えつきそうな答えです。とても10年間もの経験を積んだ方の意見とは思えない。そんなことを言っている会社は確実に潰れます。まっ、帰るのでしたらご自由に。私が出席してくださいとお願いしたわけじゃないですから」久美の顔が怒りでみるみる赤く染まった。「もう全然わかんないわ。“お客さんのためになる会計ソフトをつくって提供する”という考えのどこが間違っているんですか!」与田は腕時計を見ながら、少し厳しい口調で言った。「宮前さん。あなたはもう5分もみんなの時間を使っているんですよ。この勉強会には、仲間が貴重なプライベートの時間を割いて参加しています。私はあなただけを相手に話しているわけじゃない。何も学ぶつもりがないのなら、どうぞご自由にお帰りください。ただ、わからないことをちゃんと教えてもらいたいと思うのなら、黙ってそこに座りなさい」〉与田はなぜ、宮前久美の答え――「お客さんのお役に立てる会計ソフトを開発して、提供すること」を0点と断じたのでしょうか。幼稚園児でも考えつきそうな答えだ、そんなことを言っていたら会社は潰れるとまで厳しく指摘したのでしょうか。お分かりになりますか?与田は正解へと導くプロセスとして、アメリカの鉄道会社が衰退していった理由をメンバーに示します。〈(与田は〉先ほどからずっと自分をにらみつけている久美の前で立ち止まった。「宮前さん。さっき、『ウチの事業は、お客さんの役に立つ会計ソフトと開発して提供すること』だっておっしゃっていましたね」にらみ返す久美の視線を軽く受け流しながら、与田は言った。「アメリカの鉄道会社も、宮前さんのように『ウチの事業は、お客さんの役に立つ鉄道サービスを提供すること』だと考えたんです。だから、自分たちの問題じゃないと考えた。その結果、鉄道会社は衰退していったんです」〉自分たちの事業は「輸送事業」ではなく「鉄道事業」と考えていた鉄道会社の人たちが、鉄道の利用者が鉄道以外の輸送手段を使うようになっても、気にしなかったというわけです。良い鉄道サービスを提供することが自分たちの使命と考えるかぎり、顧客がどんどん飛行機や車に乗り換えていくことの意味を推し量ることはできません。そこからアメリカの鉄道会社は輸送市場の「敗者」となってしまいました。「製品志向」にとらわれていた宮前久美は、ここで市場志向、つまり顧客中心の考え方の一端に触れることができました。そして本格化する与田との闘いを通して、顧客満足のメカニズム、値引き戦略といったマーケティング理論のステップを積み重ねてついに大ヒット商品を生み出すに至る久美の成長。それはそのまま、読者であるあなた自身の成長です。マーケティングの奥深い世界に挑戦してみてください。(2014/5/9)
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