水域 (上)

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日照り続きで、給水制限中の街。酷暑にあてられて意識を失った川村千波(かわむら・ちなみ)は、豊かな水にあふれる村で、少年と老人に出会う夢を見る。祖母に夢の話を聞かせた千波は、意外な言葉を聞く。「それ……ばあちゃんの昔の家じゃないかねぇ」また行きたい──そう願った千波が目を覚ましたのは、夢だと思っていたあの村。そして再会した少年・スミオから、この村では雨が降り止まないことを知らされる。『蟲師』漆原友紀が描く、人々の想いと忘れえぬ記憶の物語。

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日照り続きで、給水制限中の街。酷暑にあてられて意識を失った川村千波(かわむら・ちなみ)は、豊かな水にあふれる村で、少年と老人に出会う夢を見る。祖母に夢の話を聞かせた千波は、意外な言葉を聞く。「それ……ばあちゃんの昔の家じゃないかねぇ」また行きたい──そう願った千波が目を覚ましたのは、夢だと思っていたあの村。そして再会した少年・スミオから、この村では雨が降り止まないことを知らされる。『蟲師』漆原友紀が描く、人々の想いと忘れえぬ記憶の物語。

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書店員のレビュー

 最近、よく「限界集落」という言葉を耳にします。高齢化が進んでしまって社会的な共同生活が難しくなり、消滅に至りそうな集落のことを指すそうです。国そのものが超高齢化社会へとまっしぐらに進んでいるので、誰にとっても他人事ではないのかもしれません。ご紹介する『水域』は、ヒット作『蟲師』の作者として知られる漆原友紀の作品です。テーマとして「限界集落」そのものが描かれているわけではありませんが、村の存亡に関わる「ある出来事」が物語の鍵を握っているとても幻想的な漫画です。物語の発端は、主人公の女子高生・千波(ちなみ)が部活の練習中に倒れてしまった時に見た夢から始まります。その夢では、深山の村で生活するスミオという少年と年老いた彼の父親に出会うのですが、村には他に住人がいません。夢に登場する川や滝、茅葺の家の中…千波は訪れたことがないはずの村なのに、どこか懐かしさを感じます。以降、頻繁にスミオとその村の夢を見るようになります。実はこの村は千波の母親や祖母がかつて住んでいた故郷なのです。「ある出来事」によって村人はいなくなり、母親にとって村のことは心の澱のようになっていました。この漫画を読んでいて面白いのは、夢と現実が徐々に同期するようになって謎が解明していく展開と「ある出来事」を通して描かれる故郷へのそれぞれの想いや絆です。読後には、深く心地よい余韻に浸れました。(2013/6/21)
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