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私の西域紀行(上)

西域は、著者の憧れの地であった。かつては東西交通の要衝として栄え、数々のロマンを生んだこの地域は、同時に、広がる荒蕪地と沙漠が人間の進入を拒む死の土地である。「敦煌」「楼蘭」「昆崙の玉」など、西域を舞台に幾多の小説を書いている著者の四十年来の夢、それは自らの足で彼の地に立つことであった。夢は果たされ、踏査行は五度にわたった。白雪を頂く峻険の天山山脈が、タリム盆地が、火焔山が、巨匠の筆に、あざやかに甦った!畢生の紀行文学。

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井上靖が京都大学の学生の頃から夢に見てきたという「西域」への旅が実現したのは、1977年(昭和52年)のこと。8月に新疆ウイグル地区に入ったのを皮切りに、翌78年には敦煌へ。そして1979年(昭和54年)まで繰り返した西域行きを綴ったのが、本書『私の西域紀行』(上下)です。70歳になって初めて新疆ウイグルの地に立った井上靖は、次のように書いています。〈とうとう新疆ウイグル地区に入った。ウルムチに入った。そんな思いが、寝台に入った私を、多少寝苦しくさせていた。往古の西域、今日の新疆ウイグル自治区がいかなるところか。(中略)現在この地区に生活している十三の少数民族は、いかなる風貌と、いかなる習俗を持って生きているか。また日本の四倍半の広さを持つ新疆ウイグル自治区が、天山山脈とタクラマカン砂漠の地帯が、いかに古い歴史の翳りを持ち、いかに現代の呼吸をしているか。それからまたその首府であるこのウルムチが、いかに近代化され、国境に近い町としていかなる性格を持っているか、――すべては明日からのことである〉ちなみに、中国側の招待の形で実現したこの旅には、司馬遼太郎や東山魁夷も同行していたそうです。当時の日本にあって、西域に強い関心を寄せていた最良の知識人たちがともに参加したツアーであったことが井上靖の考察に深みを与えていたであろうことは想像にかたくありませんが、本書のもう一つの魅力は井上靖撮影の壁画、仏画といった新疆ウイグル地区や敦煌などの写真が巻頭口絵として収録されていることです。いうまでもなく、新疆ウイグル地区はアフリカや中東の独裁政権が体制変革、民主化の荒波に襲われるなかで、対応が注目される中国の「弱い環」としてクローズアップされている自治区です。「そこで生きる人々とは?」井上靖が自らの目で見つめ、自らの足で確かめた真実は、決して色褪せることはありません。上下2巻。(2011/3/11)
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